いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

5月13日。御室流華道 第102回流祖奉献全国挿花大会を拝見しました。

5月13日。小雨降る御室・仁和寺は、楓の新緑が一際麗しく際立っていました。
華務長小田美風先生にご案内頂き、お家元 立部祐道様、華務長小田美風様、顧問川井宏雄様をはじめとした作品を拝見させて頂きました。

5月13日。新緑。

立夏の候となりました。
新緑の楓の葉には、あらゆる緑が見られて、グラデーションが大変美しいです。
また、タネはプロペラ型で、本当に秋になると飛んで行くとか。
プロペラ型のタネは、葉の小さいイロハカエデは葉の上に、葉の大きめのヤマモミジは葉の下に出るそうです。

5月12日・13日。大覚寺内 華道芸術学院二階で、「嵯峨御流会」の華展が開催されました。

私は、12日開会式のテープカットに出席させていただきました。
嵯峨御流会は、今年設立15周年を迎えられ、その間に全国の嵯峨御流正教授以上の有志の方々が会員となり、さまざまな活動を通じて親睦や研鑽を積み重ねてこられました。

活動の一つに、大覚寺正面玄関前の供待に毎週会員の方々が交代で挿花してくださっています。

5月4日(金)  安 迪先生の、墨絵と線描淡彩教室の作品展を拝見しました。

安 迪先生は中国出身、来日30年の絵・陶・書などの芸術家。日本、海外で芸術活動を展開しておられ、コンクール展でも多数受賞。

この度、西宮市立北口ギャラリーで開催された、教室の生徒さんの作品展を拝見しました。安 迪先生と奥様の成朝霞先生とで、しばし歓談させていただき、絵や篆刻などいろいろなお話を伺いました。
会場にいけられた花の器はすべて安先生の作品です。

5月3日。白砂伸夫先生がデザインされた、「大使、大使夫人による10カ国のガーデニング」を拝見しました。

東京 虎ノ門のホテルオークラ東京を会場に、18年毎年開催されてきた、白砂伸夫先生プロデュースの、「大使、大使夫人による10カ国のガーデニング」最終回を拝見してまいりました。

10カ国の大使または大使夫人に、白砂先生が直接インタビューされて、それぞれの国と人の特徴を捉えてデザインされたガーデニングです。

<10カ国の、ガーデンはもちろん、各国の食事や伝統、文化にも触れることができる催しで、まるで世界を旅するような感覚で愉しめる国際交流イベント>と謳われているとおり、ホテルオークラ東京 地下のホールは満員の人で大盛況でした。

平成25年4月、大覚寺華道祭において開催された特別企画「美しい地球をいける『8カ国大使夫人の愛した風景』」では、白砂伸夫先生に大変お世話になりました。8カ国の大使夫人に、自国の愛する風景をインタビューして、その風景を景色いけで表現し、嵯峨御流の華道家と一緒に大覚寺宸殿に、実際にいけていただきました。その時の懐かしいお写真も掲載します。

4月29日・30日。嵯峨御流華道上野司所 創立70周年記念華展が開催されました。

「さまざまな事 おもひ出す 櫻かな」俳聖松尾芭蕉が、故郷の伊賀の国に帰省した時に詠まれた句の言葉をテーマに、伊賀市文化会館において開催されました。

この度の記念華展では、多目的室での展示、および1200名収容の大コンサートホール舞台に6曲屏風4枚(二双)を用いた島台を飾られました。
29日(日)14時から、大コンサートホール舞台において、約1時間のデモンストレーションを私が担当させて頂き、谷田緑甫理事、伊東美知甫教授に助手をして頂いて、「さまざま櫻」をテーマに大きな朱色の行器(ほかい)の花器に、70周年を寿ぎ次世代へ継承するはなむけの心を込めて、数種類の櫻をいけました。
「櫻」の字は、「木」偏に「嬰(みどり)」と書きます。「嬰」は新緑の若葉のような生命感にあふれると同時に守ってあげないといけない存在を意味し、さらに「貝」は財産を意味する字です。すなわち伊賀上野に70年間根付いた嵯峨御流が、人という財産を守り育てて、櫻のようにしっかりと太く広く根を張って、さらに大きな花を咲かせていかれますように、との願いをテーマに込めました。
デモンストレーションで櫻をいけた後、後方の黒幕が開くと、板屋楓を六角吊り籠花器にいけたものが現れる仕掛けで、櫻と楓を融合させて「雲錦」を表しました。

 

続いて、舞台上に飾られた島台の、拝見の仕方と所作について、少し解説をさせて頂いた後、上野司所の3名の方々と一緒に、拝見の所作を皆様にご覧いただきました。
島台は嵯峨御流初伝に記されている、神殿前の舞楽台や能舞台などに花を飾る時のしつらえであります。神前に献花奉納することが主眼でありますから、花には品格あるもの、名も香りも姿も麗しいものを用い、器には神事に因んだ物など(例えば竹器ならば二柱、浮橋、丸玉垣など)がふさわしく、拝見は上席(神殿前)から左旋に、一作ごとに丁寧に一礼して、順に見廻るのが作法とされています。

 

このたびの華展には、「勅封般若心経戊戌開封法会」「嵯峨御流創流1200年」の御勝縁を祝って生まれた新花「花がさね」も披露され、華やかで喜びに溢れた、ご盛会の記念華展でございました。益々のご発展を祈念申し上げます。

 

4月29日。いけばなインターナショナル大阪支部フェスティバルに流派代表作品を出品しました。

4月29日(日)に大阪国際交流センターで開催された、いけばなインターナショナル大阪支部フェスティバル(華展)に、私も流派代表作品を出品しました。花材は、タビビトノキの花、板屋楓、芍薬です。

この日、I.I.大阪支部は260名もの留学生にワークショップを開催され、嵯峨御流も5名の先生方にお願いして、約30名を指導していただきました。

大阪支部は、I.I.のモットーである<花を通じての友好>を、様々な形で実践しておられます。この日もオープニングには在阪各国総領事館から領事やご婦人が出席され、終日、花を囲んでの賑やかな国際交流が行われました。

嵯峨御流は、アメリカ合衆国総領事館の作品を担当しました。アメリカのシンボルであるアメリカンドッグウッド(アメリカハナミズキ)を探しましたが、残念ながら今年花が咲き終わってしまいましたので、葉のみのドッグウッドを、会員の方にいけていただきました

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