いけばな嵯峨御流

7月28日。嵯峨御流「遊花一日 夏期大学」を担当しました。

7月28日。華道総司所において開催された「遊花一日 夏期大学」を担当致しました。

「遊花一日」の受講者は、初めての方からベテランの方まで様々なキャリアの方々が一堂に総司所に集い、その日のテーマに沿っていけばなの道に遊ぶ日、ととらえております。

今年のテーマは「日本をいける・夏」としました。デモンストレーションでは182名の受講生の皆様が熱帯植物の持つエネルギーを楽しんで頂けますよう、亜熱帯の植物を使い、「夏至南風(カーチバイ)・熱帯亜熱帯の風景」と題して、南大東島からわざわざ送っていただいた、憧れのアダンをいけて、沖縄の深山の景を表現し、日本の多様性と、亜熱帯植物の魅力をご紹介しました。

舞台中央の作品、田中一村の絵をイメージしながらいけた、沖縄の深山の景です。アダンの木のそばには、シオマネキ(蟹)を添えています。

舞台上向かって右側の作品、今井眞正作 顔の陶器に、糸芭蕉の葉と花、美人蕉を用いた生花。

舞台上向かって左側の作品、大覚寺什 籠製荘厳華器に、ヤシ・コウモリラン・チランジア・エケべリアを用いた荘厳華。

午後からの実技の花材は、ザミア・ソテツ・ヘリコニア・グズマニア・パイナップルです。いける花態は自由とし、イメージで表現した熱帯の風景や、生花、心粧華など皆それぞれに違う作品ができました。

 

舞台を一緒に支えてくださった4名の講師の先生方は、アダンのずっしり重い重さ、葉の棘(葉の両側面と裏に、鋭い棘がびっしり付いています)に閉口しながらも頑張って下さり、廊下の籐蔓を編んだオブジェを生かして花を添えて頂き、また蓮の葉と花に早朝から水揚げを施して下さいました。

見事に水揚げされた蓮をいける瞬間は、ありがたくて、また蓮の神々しさに感動しました。

「観蓮節」
観蓮節とは、奈良時代、中国の観蓮節にならった宮中の「蓮葉の宴」が始まりと言われています。大沢池の天神島や庭湖石を取り巻く様に一面に咲き乱れる蓮の花の美しさを愛でながら日本の風景の美しさに感謝すると同時に、守ることの大切さに思いを馳せていただきたく、平成19年から大覚寺大沢池の蓮「名古曽」を愛でる観蓮節を、遊花一日夏期大学に併せて毎年開催しています。

 

 

助手の先生方をはじめ、この日のために、沢山の方々のお力添えを頂けました事に感謝申し上げます。南大東島の宮城様のご好意、デモのみならず実技のザミア400枚・ソテツ200枚・グズマニア200本という大量の亜熱帯植物を仕入れて下さった花屋さん、舞台設営の大工さん、植物愛好家の方のお力添えと、温室からお借りした珍奇植物、大覚寺の蓮、総司所職員の皆様の献身的なお支え、などなど沢山のお力のおかげと、182名の受講生の皆様の熱意で、熱く日本の夏を謳歌できた一日となりました。本当にありがとうございました。

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