梅田阪急百貨店コンコースウィンドウ7面・迎春いけばなをアップします。
4号「緂々」だんだん
「緂」の意味は、白から次第に濃い色になる色の組み合わせ。森羅万象を表す五大では、火は燃え立ち、その熱によって万物を育 て、浄化する。この作品では色彩が渦巻きながら熱エネルギーを発するイメージを表した。
花材:ツゲ(着色)・流木の根(着色)・松・サンキライの実・海松・ヘゴ
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Profile
辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。
平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。
そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、いけばな女流選抜作家展運営委員、大正大学客員教授を務められる。
4号「緂々」だんだん
「緂」の意味は、白から次第に濃い色になる色の組み合わせ。森羅万象を表す五大では、火は燃え立ち、その熱によって万物を育 て、浄化する。この作品では色彩が渦巻きながら熱エネルギーを発するイメージを表した。
花材:ツゲ(着色)・流木の根(着色)・松・サンキライの実・海松・ヘゴ
3号「春風」しゅんぷう
風は万物の生育を助ける。様々な種類の梅の姿に春風のイメージを託す。バックパネルに書かれた白字の「風」は、題字を書かれている書家・瀬原篁冲氏とのコラボレーション
花材:梅・松・胡蝶蘭
2号「豊水」ほうすい
水は生命の根源であり生活の礎。とりわけ、日本では滝は神体として考えられてきた。遠景にサルスベリ・垂桑などで滝を表し、近景に柳・垂柳檜葉・福寿草・万年青などを配す。
花材:サルスベリ(銀着色)・南方竹の根(銀着色)・シュベルティー(銀着色)・スイリュウヒバ・柳・万年青・福寿草
1号「夲」ほん
新年歌会始の御題「本」にちなんで。今年一年を<自然と人の調和>によって実り多い豊かな年としたい。この作品は、本から物語があふれだすようなイメージでいけている。題字は、本の俗字「夲」を選んだ。
花材:キャラボク・リュウゼツラン・斑入りサボテン類・ナンキンハゼ・仏手柑・サルオガセモドキ
こんなに大きなウィンドウにいける材料を探すのは、並大抵ではありません。たとえば、大きなリュウゼツランも、ウィンドウではこんな具合に収まっています。3段重ねた本の花器の、真ん中の段右端にいけているのがこれです。このリュウゼツランは、京都嵯峨芸術大学の許可を得て、採らせていただいたものです。
梅田の阪急百貨店は、JR大阪駅・阪急梅田駅に隣接する梅田の一等地にあって、一日50万人が通行する場所です。阪急百貨店のコンコースに面した巨大なウィンドウ7面を、40年近く、嵯峨御流の迎春いけばな超大作が飾っています。一昨年から挿花を担当しているのは、嵯峨御流大阪地区連絡協議会です、今年は75名の華道家が制作致しました。私は作品構成と統括リーダー、皆さんと一緒に12月25日の夜中、一晩で7面の作品を完成しました。今年のストーリーは、、、次のとおりです。次のブログで、1面づつ解説を交えてご紹介します。
年の初めに、宮中で催される歌会始(うたかいはじめ)。今年の御題である「本」を紐解き、先人の知恵を学びます。嵯峨御流は毎年、御題に因んだ花器を創作し、御題花をいけて新年を言祝いでいます。本から得たインスピレーションは、<今年一年のエネルギーの流れを、森羅万象すなわち地水火風(ちすいかふう)空(くう)の五大(ごだい)から得よう>というものです。五大(ごだい)とは、宇宙(うちゅう)(あらゆる世界)を構成しているとする地(ち)・水(すい)・火(か)・風(ふう)・空(くう)の五つの要素のことで、命の根本(こんぽん)といえます。
続くウィンドウ2号~6号は
2号「豊水(ほうすい)」=水
3号「春風(しゅんぷう)」=風
4号「緂々(だんだん)」=火
5号「彩(さい)鳳(ほう)」=空
6号「天地(あまつち)」=地 のパワーを表しています。
7号ウィンドウ「吉羊(きっしょう)」
人と自然が絆(きずな)を強めて、豊かな実りを得る。これを、三匹の羊で表現しています。<三(さん)羊(よう)>は、陽の気が満ちあふれ万物に通じ、すべてのことが意のままになりますようにとの願いを表したものです。