3月31日。嵯峨御流 庄司信洲先生社中 「あさき会」の華展に参りました。
名古屋市内の東山荘という贅沢な作りの家屋のなかで開催された華展は、「一時(ひととき)の賞翫花」と題して行われました。
9種類の桜や名椿をはじめとした麗しい花や珍なる古木が、骨董の器や花台との出会いにより妙なる光を放ち、庭の風景とも相まってしばし文人の趣向に遊ぶ豊かな時間を過ごしました。
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Profile
辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。
平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。
そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。
名古屋市内の東山荘という贅沢な作りの家屋のなかで開催された華展は、「一時(ひととき)の賞翫花」と題して行われました。
9種類の桜や名椿をはじめとした麗しい花や珍なる古木が、骨董の器や花台との出会いにより妙なる光を放ち、庭の風景とも相まってしばし文人の趣向に遊ぶ豊かな時間を過ごしました。
金沢市文化ホールで3月30日・31日の両日開催された、北陸司所華展開会式に出席致しました。伊勢俊雄理事長、西村強甫華道芸術学院長、村 陽甫北陸司所長とともに、テープカットをし、皆様へのはなむけの言葉を述べさせて頂きました。
華展会場は、展示ギャラリーと茶室「閑清庵」で、全く趣向の違うコントラストのはっきりした会場構成でした。ギャラリーでは、中央にすっぱりとしたモダンな作品、茶室は加賀ならではのしつらえに感動しました。
昭和23年創立時の、初代司所長北野美甫先生のご遺品の花器も沢山使われていて、大切に丁寧に保存されている事に感動しました。また、珍しい逸品の花材の数々に加えて、会員の方々が足で探してこられた花材もあり、季節を感じ豊かな気持ちになれた良い華展、
そしてなによりも、会員の皆々様の笑顔が素晴らしく、日頃の司所研究会の盛り上がりを感じて嬉しくなりました。
北國新聞社、テレビ金沢、エフエム石川、北陸放送などの後援も戴かれて、地元に大いに発信された事とおもいます。
大覚寺で、ウォータースクリーンプロジェクションが開催されました。昨年に続いて、今回も「嵯峨の月光とさくら」という題での上映です。
3月29日・30日、18:00〜20:00、大沢池にて。
このプロジェクションは、「ふくしまサクラモリプロジェクト」によるもので、昨年度から大覚寺には福島の桜が植樹されて、福島の復興を祈る人々の心が桜のご縁で繋がり広がっています。今年は新種の「はるか」という品種が植えられたそうです。命名されたのは、女優の綾瀬はるかさん。
「ふくしまサクラモリプロジェクト」と大沢池。
大沢池は、嵯峨天皇と弘法大師空海が今から1200年余り前に、この池に映る月を愛で、さまざまな事を語り合われた場所。池の姿は今も変わらずここにあり続けています。そして、嵯峨天皇が菊ケ島に咲く菊を手折り殿中の瓶にいけられた事が、嵯峨御流の始まりです。1200年前に嵯峨天皇がこの辺りの自然を大変気に入られてここをお住まいになさり、もともと溜池としてあった池を中国洞庭湖に見立てて作庭を施され「庭湖」という銘のある庭園池となりました。以来、大覚寺門跡の境内池で日本現存最古の庭園池、今も嵯峨野の大切な水源池でもありつづけ、さらにいけばなの原点でもあります。
ふくしまの桜が大沢池畔に植えられたことにより、この桜を見るたび人々の心はふくしまへ向けられることでしょう。完全な復興には時間がかかることと思いますが、多くの人々のお見守りと励ましの声は大きな勇気につながる事と思います。
「花は、心をつなぐ」
いけばなの1200年の歴史の中で連綿と伝承されてきた、嵯峨天皇様の自然観・命の大切さと平和を願う気持ちを一本の菊花の姿に見出された御心と、空海が伝えた
すべての命は繋がって存在するという曼荼羅の宇宙観。こうした自然観と宗教観が花を通して伝え続けられています。たとえ流儀は様々でも、大きな意味でいけばなという日本独自の花文化には、その核となる思想があり、掘り下げれば日本独自の自然観と宗教観に行き着くと思います。
表現の形は時代に合わせて様々に変化しても、核となる思想は変わらず、これから未来へ向かって、日本が自信を持って進んでいく道しるべとなるものなのではないでしょうか。