3分でわかる嵯峨御流

日本古来の伝統のいけばなである「いけばな嵯峨御流」を、初めての方にもわかりやすく説明します。

いけばなの始まり

日本は美しい自然に恵まれ、四季折々の風景は心の安らぎを与えてくれます。昔から人々は、常に変化していく植物の美しさを瓶に移し、神仏に捧げ、花と語らい、そして少しでも長もちさせたいと考えました。
そこにより深い感動を持たせようとしたとき、芸術としての「いけばな」が生まれたのです。

いけばな嵯峨御流の誕生

平安の初め、嵯峨天皇が大覚寺の大沢池で、菊ガ島に咲く可憐な菊を手折り殿上の花瓶に挿されました。
その姿が「天、地、人」三才の美しさを備えていたことに感動され、「後世花を生くるものは宜しく之を以って範とすべし」とおっしゃいました。これがいけばな嵯峨御流の始まりであると伝えられています。嵯峨天皇の自然や草木に対する慈しみの心が、嵯峨御流の礎になっています。

三才とは?

「三才」とは、天の働き、地の働き、人の働きのことをいいます。「三才格」は生花の花態の基本で、天、人、地を表す枝を、体、用、留と名付けて配したものです。
その姿は大宇宙の生命を表現しています。

嵯峨御流のいけばな様式

嵯峨御流のいけばなは、さまざまな様式があり、大別すると、「伝承花」と「心粧華」の二つに分類することができます。

伝承花

嵯峨御流が誕生して以来、口伝や秘伝で伝えられてきた約束事を重んじた花で、次の4種類があります

生花

今日でも和室の床の間の花として欠かせません。美しい弓張りの姿をいけ表すために、直角二等辺三角形の中に、天、地、人の三枝を当てはめます。植物の出生、本質を踏まえつつ、定められた花形をいけます。

盛花

水盤などに花留を用いて花を盛りいけるもので、自然の景観を主としたものと、色彩効果を主としたものとの2種類の表現方法があります。

瓶花

花瓶にいける花のこと。花や器は好きなものを選び、場所に応じて自由にいけることができます。すっきりとしたシンプルな姿で、自然の草木の枝ぶりを生かすようにいけます。

荘厳花

仏前に供する花として誕生したもので、色彩的、構成的にも重厚多彩な様式です。神事、仏事、婚礼、宴席など、大広間や荘重な場を飾り、多様な枝を働かせながら、観る人の心が浄化されるような、荘厳な雰囲気をいけ表します。

心粧華

伝承花を発展させた、新しい感覚のいけばなで、次の3種類があります。植物本来の美しさを最大限生かしながら、一人一人の心の粧いをいけばなで表現します。

祈り花

荘厳華を発展させたもの。
植物が発芽、天空に向かって成長する姿、その生命の尊さに合掌する心を表します。

才の花

生花を発展させたもの。天、地、人の配分バランスを発展させ、作品に「気」「流れ」「風」といった目に見えないものの働きを持たせます。

想い花

盛花、瓶花を発展させたもの。心に映じた各自の想いを花を通して簡潔に表現するものです。

嵯峨御流の組織

嵯峨御所大覚寺に「華道総司所」を置き、現在は全国に海外まで含め130余りの司所(支部)を統括しています。

嵯峨御流の階級

学ぶ人は、その技術と努力の程度に応じて、初伝、中伝、奥伝などの8階級の免状を取得します。その上に、特別階級と称号があります。

いけばなという日本古来の美意識を受け継いで、共に手を取り合い、研究を重ねていくいけばな人の集い、それが嵯峨御流です。

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