いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

広島芸南司所創立55周年記念いけばな展

10月24日、25日に広島芸南司所の創立55周年記念華展が、人々が往来する地下繁華街の中央広場でたくさんの方々の注目を集める場所で開催され、開始にあたり被爆80年平和祈念セレモニーが執り行われました。平和記念公園の方へ向かって献花一対を捧げられた後、理事長、華務長挨拶、オペラ歌手山岸玲音氏の歌唱、セレモニー参列者による献花。
大変意義深いはじまりに、私たちもこの機に広島へ来ることができて、被爆者の御霊に一輪の花を捧げることができたこと、ありがたく思いました。

大覚寺嵯峨菊

11月中、大覚寺では嵯峨菊が展示されます。このお寺の歴代の宮様に愛されて来た、なんとも言えない、繊細でしおらしい姿の菊です。
毎年、各宮家に大覚寺から嵯峨菊を献上されています。
 
11月6日はこのような風情で、まだ少し蕾がちではありますが、2メートルくらいにそろえられ上から七輪五輪三輪と花数も決まりあるたたずまいが、凛としてしかも華やいで素敵です。大覚寺はすべてのお堂が回廊で繋がれていますので、お堂からお堂へ移るときにわざわざ靴を脱ぎ履きしなくてもすべての菊の鉢を眺めながら廊下を歩いて行けることも魅力ですね。

堂本印象美術館で、第7回野外いけばな展

毎年この時期に、堂本印象美術館で行われている野外いけばな展。諸流派から若手の作家が推薦出品されていて、印象美術館の素敵な空間や庭の木々とのコラボが大変興味深い展示です。
今回は嵯峨御流から下間久甫教授が出品されました。私のスナップでご紹介します。

10月17日 大正大学でのゲスト講師をつとめました。

毎年お招きいただいている、大正大学仏教学部でのゲスト講師。
今年は10月17日。50名ほどの方が受講され熱気を感じます。
午後の3限目、私が担当の嵯峨御流の紹介と景色いけの紹介とデモンストレーション「深山の景」「野辺の景」。
深山の景には七竈などの落葉樹の紅葉があれば良かったのですが、木苺の紅葉の美しいものを花屋さんが見立ててくださいましたので大きな葉ですが使っています。
 
続いての4限目は谷田緑甫先生の荘厳華の実技です。荘厳華の六大の役枝について丁寧な解説のあと、各々が「そわか」を使って実際にユーカリなどの枝を花鋏できり、いけられました。ほとんどの方が初めての体験だったようで、助講師として4名の嵯峨御流教授・准教授の先生方の手も借りながら、熱心に集中して、また楽しそうに行けておられる姿が印象的でした。

小原流大阪支部創立115周年・小原流創立130年記念華展を拝見させていただきました。

なんば高島屋で10月9日から14日まで開催された小原流大阪支部花展、お家元の御作品と、難波佳代子先生の竹の御作品のお写真です。

10月12日。未生流笹岡 京都支部展と笹岡隆甫先生を囲む会。

青蓮院門跡で開催された支部展での家元の御作品を私のスナップでご紹介させていただきます。

日本いけばな芸術特別企画in関西大阪万博 10月7日から12日

ギャラリーEASTで開催された日本いけばな芸術特別企画in関西大阪万博。
嵯峨御流から出品した4作品をご紹介します。

 

大阪・関西万博 迎賓館に挿花した作品

万博迎賓館のお玄関に、日本いけばな芸術協会が挿花。9月1日から15日まで、嵯峨御流が担当しました作品です。
 
秋の風景。
月花器に富士山。

いけばなインターナショナル大阪支部10月例会でデモンストレーションをいたしました

10月10日。ホテルニューオータニ大阪「鳳凰の間」で開催された10月例会に招聘を受け、約1時間のデモンストレーションをいたしました。御来賓 I.I.世界大会委員長 臼井信子様、大本山大覚寺宗務総長 堤大恵様、他の方々。
I.I.会員、嵯峨御流からも大勢の方々がご参加くださいました。
賑やかで晴れやかな2025年度はじめの例会に、嵯峨御流のいけばなをご紹介できました事を光栄に思います。
 
作品のご紹介と音楽
デモンストレーションの間中、篠笛奏者 佐藤和哉様が、大覚寺観月の夕べのために自ら録音されたオリジナル音源の篠笛を流していただきました。
 

初めに大覚寺大沢池で菊をたおられ殿中の瓶に自らいけられた嵯峨天皇の故実に基づく「伝書第五巻『菊水生方の心得』」庭湖石を水盤に据え、寒菊で。
 
2作目は富士の前に荘厳華。
 
3作目は北海道の白樺の野辺の景
 
4作目は”沖縄の海底を見る”視点で描く風景
 
5作目 大阪淀川のワンド(湾処)の風景
 
6作目 令和8年御題「明」に因み、嵯峨御流オリジナルの御題「明」花器を用いて、掛けくつわ を披露。
御題花器「明」に、来年丙午歳に因み轡を用いた生花

11月7日からの大覚寺供待の花

11月7日から左半分の花がいけ変えられました。
境内には嵯峨菊が11月30日まで展示されています。また、霊宝館では名宝展が開催中で、名刀「膝丸」も拝見できます。この刀、もともとは「膝丸」という名前で、源頼光が所有していた頃には山蜘蛛を退治した逸話から「蜘蛛切」とも呼ばれていました。その後、源義経が「薄緑」と改名された、等の長い由来書も拝見できます。
ぜひ11月嵯峨菊も紅葉も美しい大覚寺へお立ち寄りください。

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