いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

令和8年 御題「明」にちなむ御題花を発表しました。9月25日。

嵯峨御流では毎年、天皇様が催される歌会始の御題に因んだ作品と花器を創作して、新年に全国の門人の皆さまと共に御題花をいけています。
令和8年の御題「明」に因む御題花と御題花器の発表会を開催しました。
 
御題花としては、古代の「明」の字が日月から成ることから発想し、アンスリウムを日月と見立てたシンメトリーの構成にしました。
 
万葉集 巻1  柿本人麻呂
「東の野にかぎろひの立つ見えて
かへり見すれば 月かたぶきぬ」
この歌の情景にも想いを馳せて。
 
令和8年は大覚寺が寺号勅許1150年を迎えられますので、黎明の年となるよう祈念して、濃き紫色の四角の器を創作いたしました。御題花器は高さ20センチ、幅・奥行きとも15センチと小柄ながら様々に使え、しかも安定した器です。

万博でいけばな展が開催されます!

日本いけばな芸術協会の特別企画として、いけばな展が開催されます。
前期は10月7日、8日、9日。
後期は10月10日、11日。
 
嵯峨御流からは、
前期1名 辻井ミカ
後期3名 青野直甫 村上巨樹 谷田緑甫
ギャラリーEASTです。
万博会場の中ですので入場はご自身でしていただかなくてはなりませんが、会場はどなたでもご自由にご覧いただけます。
ぜひぜひお越しくださいませ。
なお、会場のギャラリーEASTは、東ゲートから歩いて約10分のところ。西ゲートからは約30分ほど歩いていただかなくてはなりません。
 

供待に挿花

9月22日。2人で供待に挿花しました。
供待は大覚寺へ拝観にこられた方のお玄関でもある拝観口の手前にありますので、たくさんの方がお声をかけてくださいます。
 
取り合わせに興味を持たれたり、花材を知りたいとおっしゃったり、ただ黙ってじっと鑑賞してくださる方も。とにかく素通りする方はほぼおられないのです。
生きているもの同士、花の持つ何かが人の心に波動を伝えるのでしょうか。
有難いことです。
 

大覚寺寺号勅許1150年記念いけばな展 ベルギー・ルクセンブルク支部主催

ベルギー王国アーロン市を拠点に30年以上活動する、嵯峨御流ベルギー・ルクセンブルク支部は、大覚寺寺号勅許1150年を記念して9月27日(土)、28日(日)の両日にいけばな展を開催されます。
 
支部では、アストリッド マトン支部長を中心に、遠いヨーロッパに於いてでも何か寺号勅許に寄与する企画を考えたいと、一年以上前から寄付を集めたり様々な”できること”を模索されていたようです。
この度、9月に華展&デモンストレーションを開催される運びとなり、ポスターを送ってくださいましたので、盛会を願い皆様にご紹介したいと思います。
 
この支部は、北海道の故南秀月先生ご指導のもと創立され以来、ずっとフランス語圏のベルギーと日本との架け橋となってくださっている支部顧問・高橋文夫&マリアンヌ夫妻(在ベルギー ブリュッセル)の多大なるご尽力のおかげで、毎月月刊嵯峨を取り寄せての勉強会、また総司所との意思の疎通をはかりながら20年、30年、と周年記念華展も着実に歴史を積み重ねて今まで活動してこられましたが、6月26日に、アウトバーンで不慮の事故に遭われマリアンヌさんが急逝なさるという、受け入れ難い悲報がありました。長年の嵯峨御流へのご貢献に対し、深い感謝と哀悼の祈りを捧げたいと思います。

豊中茶華道連盟 「秋のいけばな展」を拝見しました

9月13日。豊中市立文化芸術センターで開催された華展とお茶会に伺いました。
わたくしが撮ったスナップ写真で、嵯峨御流の出品作品をご紹介します。

 

大覚寺 供待のいけばな

九月九日は重陽の節句です。
菊節句とも言われ、古来厄除けの力があるとされる菊をいけて長寿や無病息災を祈る日です。
大覚寺供待に、9月9日から新しい作品がいけてあります。どうぞご覧くださいませ。

供待は、大覚寺の拝観口の手前にあって、どなた様でもご覧いただける場所です。

大沢池

9月に入りましても、まだ大沢池には美しい名古曽蓮が咲いております。風に戦ぐ風情を、大沢池の北側の広々した芝生から眺めるのは、幸せな時間です。
ここは別世界、リフレッシュにお越しくださいませ。

腐生植物 二種 発見!

白錫杖と本郷草に出会えました!!!
 
前のブログの大蒟蒻を見学に来られた、腐生植物の研究家と愛好家の方が、小倉山の竹藪に腐生植物の白錫杖(白い花の写真)と本郷草(紅の花の写真)が自生していると教えてくださいました。わたくしもそれが見たくて、その辺りへ連れて行っていただいたところ、探し回ってやっと出会えました!
どちらも5センチも無いくらいで、竹葉の影から顔を出しています。よくよく目を凝らせば白錫杖は黄色いガクを開いています。
光合成をしない植物、菌から養分を得て育つそうです。
植物の不思議

8月31日。お花の集い

一年に一度、京都のお稽古の方々が集まって集いを開いてくださっています。
今年は8月31日、リーガロイヤルホテル たん熊にて。わたくしのデモンストレーションでは、三作品をご覧いただきました。

向かって右端の作品
中原道夫の俳句「滝壺に滝活けてある眺めかな」に寄せて。華厳の滝のように真っ直ぐに落ちる滝を描いて、滝壺に大きな飛沫をあらわし、禅語「直下三千丈」の気分を味わっていただく趣向。
滝は野薔薇の実枝、風船かずら。
飛沫はかすみそう。

中の作品
今年は母ケイの七回忌。皆様が献盃もして下さいました。
漆器赤富士盆。赤富士が大好きだった母の遺愛の品。鈴木雅也作。その横に、月見草の咲く野辺の風景を出会わせて。
太宰治の小説「富嶽百景」の中の一節”富士には月見草がよく似合う”に因んで。花材は月見草、オミナエシ、ヒメエニシダ。

向かって左端の作品
三重切り。中の口は椀鉢型に切ってある珍しいもの。母が表千家のお茶をしていたこともあり、この竹器を持ち出しました。ナナカマドと、ツルウメモドキ、ソケイ、ケイトウ。残暑厳しいながらも秋の気配が感じられる今の季節を少し先取りして。

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