いけばな嵯峨御流

オランダ大使館でのデモンストレーション

オランダ・アムステルダム国立美術館が10年間にわたるリニューアル工事を経て、一昨年の2013年にリニューアルオープンされた際に、アジアブースに展示された一対の仁王像の開眼供養のため、大覚寺が招聘を受け、門跡猊下をはじめとして11名の僧侶方と、当時の華務長岡田脩克先生を筆頭に7名の華道家の合計18名がオランダへ行き献花式付開眼供養法会が行われました。アムステルダムでの献花式は、大変荘厳な雰囲気で挙行され、その時の感動は、今もわたくしの心の中に響いて参ります。

この程、10年間のリニューアルのドキュメンタリーフィルムが完成し、その記念として、試写会にオランダ大使館から大覚寺に御招きがありました。
オランダ大使ご夫妻、アムステルダム国立美術館学芸員のメノー・フィツキー氏、ほか多数の御来賓の方々が大使館の居間に集われ、大覚寺から門跡猊下、執行長様、草津部長様そして4名の青年教師会の僧侶の方々が同行されました。大覚寺からのご挨拶の後、いけばな嵯峨御流のデモンストレーションで「野辺の景~アムステルダムの運河の風景~」「桜の生花」をいけてご覧いただきました。
この花に託した想い、それはアムステルダム国立美術館と大覚寺とのご縁に感謝し、オランダと日本の友好が益々深まりますように、そして世界が平和でありますようにとの願いです。

 

サイズ変更IMG_3101 左から、メノー・フィツキー氏、服部精村執行長、黒沢全紹門跡猊下、駐日オランダ王国特命全権大使ラーディンク・ファン・フォレンホーヴェン閣下、(辻井)、ベアトリス S. J. ヴァレー大使夫人、草津栄晋教務部長 
 サイズ変更IMG_3094   桜の生花サイズ変更IMG_3062
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 景色いけ「アムステルダムの運河の風景」

柳・桃・菜の花・チューリップ・都忘れ・立ち日陰 ほか

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アムステルダム美術館10年間の大規模なリニューアルのドキュメンタリー第2弾DVDの上映会の様子。仁王像も映されている。

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アムステルダム国立美術館・献花式付開眼供養に関する、2013年当時の新聞記事をご紹介します。
朝日新聞デジタル版2013年 10月14日の記事より

 【アムステルダム=野島淳】
レンブラントの「夜警」などで知られるオランダのアムステルダム国立美術館で2013年10月13日、2体の仁王像の開眼供養式が開かれた。仁王像は同美術館の目玉展示の一つ。京都・大覚寺の僧侶ら18人が日本から招かれ、真新しい近代的な白壁の展示室に般若心経の読経が響いた。  仁王像は同美術館が今年4月、10年に及ぶ改装工事を経て再オープンした際、京都から取り寄せた。像はもともと島根県の岩屋寺という寺に置かれていたが、すでに廃寺になっている。
  同美術館の学芸員メノー・フィツキーさんが跡を訪ねると、仁王像のない門だけが残され、「悲しかった」。仏像を安置する際の開眼供養を営むことで、美術館を仁王像の「新しい我が家に」との思いを込めた。フィツキーさんは「今日は仁王像の表情が少しにこやかに見えます」と笑顔で話した。
  西洋の美術館では穏やかな表情の仏像の展示が多く、力強く勇ましい仁王像は珍しいといい、同美術館で人気だ。

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