いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

5月16日から、仙台 での「日本いけばな芸術東北展」前期に出瓶します。

公益財団法人日本いけばな芸術協会が主催する、「日本いけばな芸術東北展」前期に出瓶します。

華展会期:平成31年年5月16日(木)~21日(火)

嵯峨御流前期出瓶者は次の通りです。
〔前期展〕5月16日(木)~18日(土)
辻󠄀井ミカ・ 飯沢 愛甫・工藤 れい甫・佐藤 香甫

〔後期展〕5月19日(日)~21日(火)
石田 テル甫・伊藤 竜甫

午前10時~午後7時30分(入場は閉場の30分前まで)
※5月18日(土)・21日(火)は午後5時閉場

会場:藤崎本館7階 催事場

新天皇様御即位 お祝いの花を、大覚寺へ 式台玄関にいけさせていただきます。

5月1日から6日まで、新天皇様御即位を慶祝し、大覚寺式台玄関にお慶びのいけばなを展示します。式台玄関は門を入って、拝観入口のすぐ隣にあり、どなたでもご覧頂けます。

4月27日。華道総司所において、様々な講座が始まります!初回「花筏 桂川の景」講習会を開催しました。

江戸時代の嵯峨御流伝承の中にある、「花筏 桂川の景 生方の心得」講習会を華道総司所で開催しました。嵐山の上流 保津川では、かつて丹波山地で伐りだされた材木を、京の都へと運ぶ筏流しが盛んに行なわれていました。
今はトラック輸送の普及により、途絶えてしまいましたが、その風情を、桂籠を用いて青竹の筏を敷き、山桜の枝を流していける、粋ないけ方です。


私は、朝礼のため壇上に立ちましたが、80名の受講生のすごい熱気を感じました。今日は、生花の講義と実技なのですが、それに加えて細い竹を使った花筏の制作もあるのです。

さて、この日の講師は、村上巨樹いけばな文化綜合研究所所長。助講師は、青野直甫華道企画推進室副室長、岡﨑玉峰いけばな文化綜合研究所副所長のお二人です。
先生方は何日も前から、受講生のために様々な工夫を凝らされ、準備されておられました。


また、華道芸術学院2階には、4月末にカフェハワイができました。
これは、職員の方が自分たちで知恵を出し合い、ご自分の手で内装をハワイに作り上げてくださったものです。総司所に集う全国のお花の方々が少しでも楽しい時を過ごして下さるように、とのあたたかい想いがこもっています。
愛のカフェ・ハワイ!

月刊「嵯峨」4月号からリニューアルしました!

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月刊『嵯峨』が4月号からリニューアルしました。
新企画 華務長対談「話の双葉」の第一回目は、京都吉兆会長の徳岡孝二様です。
徳岡様とは、日本の美意識をテーマに、お料理・文化・景観等様々なテーマでお話をさせていただきました。


ちょうど時期を同じくして、4月3日に飛鳥新社より出版された、徳岡様のご本「最後の料理人」には、この対談でも触れられた初代吉兆 湯木貞一様の良いものを選ぶ目と、興味深い文化人との交友などが綴られています。「最後の料理人」出版記念パーティーでは、できたてほやほやの月刊嵯峨を徳岡様にお渡しすることができました。京都新聞4月4日夕刊に、ご本の記事が載りました!

大覚寺の亥の目

古来より、魔除けの意匠として用いられている「亥の目」。
イノシンの目に似ていることから、いのめと呼ばれ、刀の鍔などにこの意匠がよく見られます。

大覚寺にも随所に亥の目があります。
中売店にマップがあり、売店のお姉様に尋ねて頂ければ、珍しい蝉の金具がどこにあるか、なども教えていただけますよ。

ぜひ、探してみてください。

4月8日。小原流東京支部華展を拝見しました。

4月8日。新宿高島屋で開催された小原流東京支部華展「春色のおもてなし」を拝見しました。

家元小原宏貴先生の立派な大作も展示されていましたが、お写真はご遠慮致しまして、会場風景と大作、会場外の壁面、高島屋のウィンドゥにいけられた作品など撮らせていただきました。

4月15日。「日本いけばな芸術中部展」 後期展を拝見

「日本いけばな芸術中部展」

〜 新たな歴史への夢〜
日本いけばな芸術協会主催の「日本いけばな芸術中部展」。最終日の15日に後期展を拝見しました。嵯峨御流からは、9名7作が出品しました。


前期展のスナップははこちらをご覧下さい。
https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_15379/

4月4日。嵯峨美術大学・大学院・嵯峨美術短期大学、大覚寺での新入生オリエンテーション

https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_15484/

「4月2日。嵯峨美術大学・大学院・嵯峨美術短期大学 入学宣誓式。」の続きです。

4月4日には、大覚寺に嵯峨美術大学・短期大学380名の新入生が集まり、伊勢俊雄理事長が大覚寺のお話を、そして私が嵯峨御流のお話を致しました。

~伊勢理事長のお話~
大覚寺は日本史の中に出てくるお寺、時代劇によく使われるお寺、いけばな嵯峨御流のあるお寺です。せっかく嵯峨美で学ぶなら、嵯峨御流の資格を取って卒業してほしい。全国に、107司所が、また海外の北米やヨーロッパにも支部がありベルギーは30周年を迎えました。皆さんは海外へ行くことも多いと思うので、そのような時にいけばなで日本の良さを紹介できる。いけばなで、日本の古い伝統も身につけていただきたい。
大覚寺の特徴は、お堂が通路で繋がれてる事で、これが御所の名残、京都御所もそのようになっています。(省略)


私がお話したことは、他の大学との違いと、いけばな嵯峨御流の話です。
まず一つ目。嵯峨御流は家元制ではなく、嵯峨天皇様が御始祖である事。嵯峨天皇様は、ご自分が自ら花を手折りいけられた初めの天皇で、実際にこの場所にお住まいになられ、ここは御所であったこと。庭に咲く菊の花を殿上の瓶にいけられたところ、その菊に天地人三才の姿が自ずと備わっていたとこほから、爾今花を賞づるものは之をもって範とすべしと仰ったこと。
以降代々の門主様は皇室の方がつとめておられる、格の高い門跡寺院大覚寺の大覚寺の中にあって、華務職として仕官してきたのが嵯峨御流の華道です。
二つ目。ここが大覚寺学園 だということ。嵯峨美術大学は、この歴史と由緒が背景になっている大覚寺が母体です。嵯峨天皇様は中国の文化を良く理解された上で国風文化をうちたてられた御方です。一流の人・国は他の模倣するだけではなく、その独自の文化を持たなくてはならない、このことは今も学ぶべき事です。嵯峨天皇様は、818年疫病で民が沢山なくなったとき、自ら写経を書かれて民によりそおうとされました。60年に一度定めのご開封が行われています。また、嵯峨天皇様のことでは、皇太子殿下がお誕生日の会見で象徴天皇の在り方とは、嵯峨天皇様がお写経に託された心でありそれは災害が起こったときに常に民に寄り添う心だと語られています。
三つ目。日本現存最古の庭園池である大沢池が、大宮人が観月のために池の水に月を浮かべていた1200年前の姿が、今もそのままあり続けていることです。この風景が嵯峨御流の盛花の花態のもとになっています。自然の風景が1200年以上姿を変えず存在し続けるとは、風景の源にして命の根源となる水の流れが健全に流れているから。
この水の流れを山から海までの一つのつながった系としてとらえ、七つの水の流れをいける「景色いけ 七景三勝」のいけかたが他流と違う独特の花態。動きのある、連続した水をいけ表せるため、世界のどこの気候帯、どのような風景でも、七つの型に当てはめればその特徴ある風景をいけることができます。これを身につけて、世界の人とコミュニケーションしていただきたいのです。
さらに、華道を通じて日本の花文化を掘り下げていくと、必ず日本文化の水脈を掘り当てることができます。道のつくものを身につけることで、自分のなかに、自信と誇りが備わるようになると思います。


随分自分勝手に編集してしまいましたが、入学生への2日にわたるお話をまとめてみました。
これを読み返して、学生生活の貴重な2年間または4年間を、華道を知り嵯峨御流に触れていただき、卒業時には、文化と芸術の力をもって社会に貢献する人として巣立っていただきたいと希うところです。

 

4月2日。嵯峨美術大学・大学院・嵯峨美術短期大学 入学宣誓式。

4月2日、約380名の入学生を迎え、入学宣誓式が執り行われました。式典のはじめ、伊勢俊雄理事長からのご挨拶の中で、大覚寺学園である当大学の歴史やいけばなとの関わりなどもお話されました。昭和46年に嵯峨の地に嵯峨美術短期大学として創設され、創立30周年の平成13年に京都嵯峨芸術大学となり、平成29年には嵯峨美術大学と校名変更をした嵯峨美術大学からは、2万人をこえる学生が社会に出ています。大覚寺学園というのは、大覚寺というお寺が母体となっているからで、大覚寺は旧嵯峨御所ともいい、1200年前の嵯峨天皇様が御所としてお使いになられたところです。大学の理念は嵯峨天皇様と空海様のお考えが基になっています。昨年、嵯峨天皇様がお書きになられたお写経が60年に一度のご開封があり、皇太子殿下をはじめ多くの宮様が大覚寺におこしになられました。嵯峨天皇様は、平安京の基礎をつくられたお方、自然 芸術 文化を大切になさり、嵯峨御流の源流をつくられた方でもあります。
その精神を受け継いでいくことをこの大学の理念としています。
冒頭このようなお話でした。


続いて今年度より新たに学長に就任された佐々木正子先生によるご挨拶がありました。平安時代第52代嵯峨天皇様が造営されたのが嵯峨御所、それは今の大覚寺となっており、嵯峨天皇様の美意識を継承していくのが嵯峨御流のいけばなと、本学・嵯峨美術大学です。深い伝統の中にあって、新しい分野・革新的な作品も創作するという活動がなされています。風光明媚な環境の中で、アットホームな本学の雰囲気は、きっと他にはないものだと思います。と、冒頭に述べられました。

https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_15487/ 

「4月4日。嵯峨美術大学・大学院・嵯峨美術短期大学、大覚寺での新入生オリエンテーション」に続きます。

平成31年嵯峨御流「華道祭」無事に終了。感謝を込めて。 テーマ〜To The Next〜

4月14日、おかげさまで嵯峨御流華道祭を盛会裡に終えることができました。ご来場下さいました皆様に心から感謝申し上げます。

この華道祭の趣旨は、御始祖嵯峨天皇様への報恩と感謝の意を、花を以って表すことです。北海道から沖縄まで、全国107司所の代表者が一堂に集まり、それぞれの花席に花を生けて献じました。また、華道総司所の諸役が皆名前を連ねて嵯峨御流の伝承花、心粧華、新花「花がさね」、大作などをいけ、また華道芸術学院教授・派遣講師による個人作品など、あわせて200杯近くの作品が、ほぼ寺内全域に展覧されました。

核となる行事である「華供養塔・嵯峨天皇奉献花法会」は中日の13日10:30から12:00に、今年は埼玉司所から40名が出仕されて厳かに執り行われました。

毎年のことながら、お茶席をご担当頂く庭湖会の先生方にはお忙しい3日間だったことと思います。

今年は、京都の「都をどり」の舞台が新天皇御即位に因んで大覚寺が背景になるなど、陛下がしばしば口にされる嵯峨天皇様の事に、衆目が集まっております。
それゆえに、今年は華道関係以外お客様も多かったように思います。寺内職員の皆様と、嵯峨御流華道家が一体となってむかえた今年の華道祭は、大変忙しい中にも笑顔が絶えない、喜びあふれる、温かい会でありました。

ご支援くださいました皆様、ご来場下さいました皆様、ありがとうございました!

 

そして、法眼玲子様撮影の写真を掲載させていただきます。

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