いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

1月25日。 いけばなインターナショナル(国際本部)新年会

ホテルニューオータニ東京で四年ぶりに開催された、いけばなインターナショナル新年会にお招きを受け、出席させていただきました。
名誉総裁高円宮妃久子殿下をお迎えして、国内外の支部からの約400名ほどの参会者とともにまず能登半島地震で亡くなられた方々のために黙祷を捧げた後、高円宮妃殿下から日本語・英語の両方でお言葉をいただきました。
 
まず能登半島地震で被災された方々へのお見舞いとお命を落とされた方へのご冥福を祈られ、伝統工芸にも被害があったことなどお話し下さいました。そしてI.I.の創立について、1956年に、戦後間もなくの困難な時代にアメリカと日本の架け橋となるように設立されたものであること、そもそもいけばなは亡くなられた方へ花をいけて手向け、その花を愛でて心の安らぎを得るそのような形で出てきたものであり、それゆえに困難な時にこそお花がとても大事だということをわたくしたちに教えてくれるものである、と。
さらに、困難な時期であるからこそ多くの方と繋がり合える大事な要素がI.I.にはある、今世界で起こっている戦争など苦しみに耐える人とも花を通じて繋がることができるのではないか、祈りを込めて花をいけることがI.I.の使命ではないかなど。
名誉総裁の貴重なお言葉の数々を、わたくし共はそれぞれの心にしっかりと刻みました。
 
I.I.はいま、令和7年4月25日から28日に京都で開催されるI.I.世界大会第13回世界大会にむけ、様々な準備がすでに始まっています。京都国際会館で、嵯峨御流もデモンストレーションを担当いたします。また、I.I.国際本部の役員国内外の支部の支部長や副支部長、役員を務められている嵯峨御流の先生方も少なくありません。
多くの方々のご尽力で世界の約7000人のいけばな愛好家に向けて世界大会でいけばなからのメッセージが発信される令和7年、楽しみです。

雪の日。寒行

雪がちらつく朝。寒行托鉢に出られる伝灯学院生の方々が、内局様や職員の皆様に見守られながらお寺を出発なさいました。
どうかお気をつけて行っていらっしゃいませ🙏🏻

1月20日。帝国華道院 第96回「いけばな大賞2023」表彰式と懇親会に出席しました。

東京 ロイヤルパークホテルで開催された、一般社団法人帝国華道院主催「いけばな大賞2023」表彰式・懇親会に出席しました。
わたくしは、格花部門の審査員としての講評を述べさせていただきました。
いけばな大賞については、昨年11月のブログをご覧くださいませ
 
審査をさせていただいて、あらためて古典の型には美しい強さがあると思いました。流派の違いにより約束事は違えども練りに練られてきた美の力強さに圧倒される思いです。そして型を習熟するには長年かかりますが、身についた型を踏まえて型から超越し、自分の想いや見立て、など創意を込めた作品に、見るものの心は打たれるという点で、枝先まで気を抜かずにいけあげられた作品に、感動いたしました。
 
約1時間に及ぶ表彰式には、最優秀賞である内閣総理大臣賞以下様々な賞が披露され、学生の部では小学生、中学生、高校生、と分かれての表彰がありました。いずれの作品も、下準備は一切手をつけずに花材を持ち込み、会場でその場で一人だけで作り上げる、という決まりは、大人も学生も小学生も同じです。
 
流派、国籍、キャリア、を超越して、誰でも挑戦できる、「いけばな大賞」です。

琉球寒緋桜

今年も、沖縄司所の先生から、お庭の琉球寒緋桜を総司所にお贈り戴きましたので、早速華道芸術学院お玄関に飾らせていただきました。桜の左右は、龍吟虎嘯のしつらえです。

いま季節は大寒、能登半島地震で被災された方々が、雪の季節となりどれほど辛く寒い思いをなさっておられるかと思うと心が痛みます。
どうかご無事で、そして少しでも回復に向かうことを祈り続けます。

春の便りが、希望となって少しでも辛いお心を慰めとなりますように。

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