いけばな嵯峨御流

月刊嵯峨平成27年2月号 門跡様のお言葉「努力」の言葉に添えたいけばな

 皆様、お寒うございます。今年は元旦から全国的に雪でしたし、立春の前日である節分は大寒の最後の日になりますので、寒さはこの2月3日ごろが最も厳しい頃です。季節の変わり目には、邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払うための悪霊ばらいの行事が地域によってさまざまな形で執り行われていると思います。
 さて、1月30日に行われた派遣講師研修会において、黒田知正総務部長様が朝礼で次のようなお話をなさいました。
全国では、豆まきのいろいろなものがあります。東京の亀戸天神は「鬼は外」「鬼は外」しか言わない、残った福を参拝者が頂いて帰るから。成田山新勝寺は 「福は内」しか言わない、お不動さんの力で鬼を福に変えるから。東京雑司ヶ谷の鬼子母神さんは「福は内」「鬼は内」、ご本尊様が鬼なのでその鬼を追い出したらご本尊様がいなくなってしまうから。吉野の蔵王堂はお不動様のお寺で、大般若経転読法要をされることでも知られている。「鬼は内」「福も内」、大般若の力で鬼を仏に変えるから。
そして私たちの心の中には鬼も仏もある、自分の中の仏の力を借りて鬼を出さないように、鬼を仏に変えていく努力をすることが大切とお話になりました。

 

大覚寺では、2月3日に節分会、大般若経転読法要が行われ、私も参列させていただきました。法要の終わりごろ、すべての参列者の肩に僧侶の方が経本をそっと当てて下さいます。その瞬間、晴れやかな気持ちになりました。そして豆まきには、門跡様をはじめとした僧侶と、大覚寺の年男年女の職員さんが並んで威勢よく「鬼は外」「福は内」と厄払いの福豆をまかれました。

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月刊「嵯峨」2月号の巻頭を飾る門跡様のお言葉は「努力(つとめよや)」。
1502_P1柄足し私は、節分への想いを作品に託しました。古くから節分には、柊の枝が邪鬼の侵入を防ぐと信じられ、家の庭には北東の表鬼門に柊(ひいらぎ)、南西の裏鬼門には南天(なんてん)の木を植えると良いとされています。鬼(邪気)は尖ったものや臭いのきつい物を嫌うとされ、柊の枝に鰯(いわし)の頭を刺した柊鰯を門口に掛けているのを良く見かけますね。

私の作品に使いましたのは、柊南天。柊はモクセイ科、南天はメギ科ナンテン属で、柊南天はメギ科メギ属の植物です。
信楽の「鬼桶」と呼ばれる水指を花器にして。

 

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