いけばな嵯峨御流

9月の花 月刊『嵯峨』9月号

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雁来紅

 

秋が来ると、いろいろな秋草が咲き乱れて楽しみが多いです。私は、葉鶏頭が大好きなので、咲くのを心待ちにしていました。葉を観賞することから「葉鶏頭」の名があり、雁が飛来するころに葉が紅色になるところから漢名は「雁来紅」と言われているそうです。夏の初め頃にでる葉は緑ですが、8月以降、茎の上の方が赤や黄色に色づき、学名のアマランサス・トリコロール(三色の、という意味)の名にふさわしい姿に変容していきます。

 

月刊嵯峨9月号の門跡様のお言葉「柳緑花紅」に因んで。

「柳緑花紅」中国の詩人・蘇軾(そしょく)の詩に出てくるこの言葉を引用されて、門跡様は<美しい自分とはどのようなものであるかと考えたことはありますか。>と私たちに問いかけられています。

この世のものは姿も形も皆違っていて、それぞれ一つ一つの命に自然の理が備わっている、それをあるがままに受け止めよ、という意味のようです。

私は、自分に備わっている力を時期に応じて精一杯開かせることで、人が生き生きと輝くのだとお教え頂いたように感じました。そして<美しく着飾ることは誰にでもできますが、ありのままの自分は、自分にしかない美しさなのです。>この締めのお言葉から勇気を頂いて、今月から始まる平成26年度後半に向かって元気に前進したいと思います。

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