いけばな嵯峨御流

あやかれや 長刀鉾の 籤(くじ)とらず

コロナのため、京都の祇園祭に今年は山鉾を立てないという事が決まりました。わたくしも、子供の頃から夏には街なかへ出て、「コンチキチン」のお囃子の音と山鉾、そして各家々の美しい屏風や檜扇の花を拝見するのが7月14日〜16日宵山の楽しみでありました。今年は山鉾の姿は見えなくとも、疫病退散を祈る神事は7月いっぱい執り行われますし、また各家々で厄除の願いを込めて檜扇の花が飾られることと思います。

我家の玄関にも、頂戴した真新しい粽をかけさせていただき、床の間に表千家即中斎宗匠賛の長刀鉾の扇と檜扇を飾り、祭月のしつらえが整いました。
扇の賛は「あやかれや 長刀鉾の籤とらず」と書かれています。
山鉾巡行の順番は、籤引できまりますが、くじを引かなくてもあらかじめ順番が決まっている山鉾を「籤とらず」といい、長刀鉾は全ての鉾の先頭に決められているのですね。

月刊「嵯峨」2013年7月号の「いけばな講座」から、檜扇の作品を転載しました。皆様もご参考になさって、夏ならでは、そして厄除の願いを込めて檜扇を飾られてはいかがでしょう。

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