いけばな嵯峨御流

平成28年8月7日 華道総司所「初心者対象講座」~わかりやすいいけばな~のご報告

8月7日、京都は37度の猛暑日となりましたが、早朝から67名の受講生の方々と、大勢の親先生が華道芸術学院にお越しくださいました。

まず寺内拝観です。僧侶の方から境内の説明を聞かれ、大沢池については私がお話をさせていただきました。「庭湖」といわれる大沢池は、現存最古の林泉で、華道嵯峨御流の原点です。平安時代、嵯峨天皇様が菊花にこめられた自然への想いと、命の尊さ、平和を願う心が、私ども嵯峨御流の始まりです。この場所で、実際に嵯峨天皇様と空海様がお話しになった 大沢池を実際に見て感じて、心に焼き付けて頂きたかったからです。

拝観終了後、クーラーの効いた 涼しい教室に戻って、まずデモンストレーションを見て頂きました。「庭湖の景」今見てきたばかりの大沢池の風景。「芭蕉の生花」大きな葉が緑陰を生む芭蕉で、涼を感じていただきたいという想いで。「朝鮮槇の生花」午後の実技でいけるイメージをつかんで頂けますように。

昼食は、寺内の食堂を利用して、写経日にふるまわれるのと同じ「お饂飩」を召しあがっていただきました。華道総司所は、大覚寺の中にあります。それは日常的に僧侶の方や修行中の伝灯学院生の皆様とすぐ近くで接する場だということです。

普段、お花の先生方や、華道総司所芸術学院の専修会に来られる研究生の方は、ここでお食事を一緒にするのです。この日は日曜日で、職員の方は少なかったのですが、お寺の奥へ入ったという雰囲気は感じていただけたのではないでしょうか。

午後の実技は朝鮮槇の生花です。私と、田中喜久甫いけばな文化綜合研究所所長、岡崎玉峰主任教授が担当致しました。

寸渡に配り木をかけるところからの実習で、一つ一つの行程を説明しながら 皆で同時にいけていきました。受講生の皆様の教えを聞こうとする真摯なお姿には、私共のほうが心を打たれました。そして、全員が生花を全力でいけて完成され、すべてのお花を見終わったあとには、受講生の顔がより一層いきいきとした笑顔であったことに、また感動致しました。

各自が、全力を出し切った自分への自信と、これからの課題・目的を見いだされた、そのように感じたからです。これからも、親先生の元でお稽古を積まれ、自分自身のステップアップを目指していただきたいと思います。最後に全員で大きな拍手、お隣同志で感謝の言葉を伝えあい、爽快な一日となりました。

皆様を、一日見守って下さった親先生方にも、心から感謝申し上げます。

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