いけばな嵯峨御流

10月1日。大覚寺で、『戊戌開封法会』心経殿御開扉「開白法会」が行われました。

10月1日は、眩しいくらいの晴天となりました。

10時から行われた開白法会には、高円宮妃久子殿下と絢子女王殿下が御成りになり、献花献茶式を含む厳かな法要が営まれました。法要の中で伊勢俊雄宗務総長が読み上げられた願文には、1200年前に国民を苦しめた疫病と地震などの災厄から民を救うため、嵯峨天皇が弘法大師空海様のおすすめにより般若心経を浄書されたことにより国に平和が訪れたこと、その霊験あらたかなお写経は封印されて、以降60年に一度戊戌の歳に勅使によりご開封となること、またこの度のご開封により万民豊楽を祈ることなどが述べられていました。
清らかな御読経の中で心経殿の扉が開かれて、まず高円宮妃殿下と女王殿下が嵯峨天皇御宸翰般若心経を拝まれ、続いて霊宝館で後光厳天皇、後花園天皇、後奈良天皇、正親町天皇、光格天皇の般若心経を拝まれました。

 

この開白法会では、嵯峨御流執行部による献花式が行われ、また供華侍者を学校法人大覚寺学園嵯峨美術大学・短期大学の約40名の学生がつとめられました。紅白の装束を着て、二人が一対となって呼吸を合わせて動かなくてはならない所作を、学生さん達は見事に美しく動かれました。

法会は12時すぎに終わり、本日ご参集なさった全ての方々が晴れ晴れとした表情をなさっておられ、皆様の心の内から発する光というものを感じて私は深く感動致しました。
今日を迎えるまでに、台風の被害や様々な事を、御流の先生方を始め、職員の方々や関係する多くの方々が力を合わせて懸命に乗り越えて来られ、人事を尽くしてこられたからこそ、輝く光がもたらされたのだと思いました。


勅封般若心経は、本日から11月30日までの2ヶ月間、開かれています。

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