いけばな嵯峨御流

8月30日、北陸地区連絡協議会いけばな公開講座において、講演とデモンストレーションを行いました

嵯峨御流北陸地区主催のいけばな公開講座「華やかな平安文化の薫りをいける」サブテーマ~生活を彩るいけばな~が石川県女性センターで開催され、講師として、本田博甫理事と共に出向しました。

地区の4司所(北陸司所 富山司所 能登司所 富山春陽司所)から大勢の方々が参加され、とても盛会でした。

前半は、講演「いけばなで美しい地球を守る」。いけばなとは、「自然と共に手をつなぎ自然をわが心のものにしたいという、その必然的欲求」から生まれた、日本独特の文化だと話し、いけばなを家の中に自然美しい風景をいけて、人の心に自然をいとおしむ気持ちを育むことが、環境を保全する気持ちにつながるというお話をしました。

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続くデモンストレーションは、「十二律管」、「御所車」、「文人華」「懸花」2作。

金沢市内にある金子生花店のご尽力で、様々な花材を集めていただきました。その中でも、「御所車」に使った楓は少し紅葉しているように見えるもので、赤いナナカマドとの取り合わせが、はんなりして雅な雰囲気でした。

「御所車」とは宮廷乗用の牛車のことですが、この車の屋形部分を取り去り、勾欄で囲い、その中央に大籠を置き据えた花車を御所花車と呼びます。嵯峨御流では、嵯峨天皇の御所にちなんで、この御所花車を「御所車」と称し、格調高い花をいけることになっています。

「十二律管」は楓二種とユリ。

「文人華『緑天蕉雨』」芭蕉。オンシジウムと白孔雀羽根を添えて。

「懸花」は、青竹五重切に季節の花々を瓶花調にいけたもの。上から、つるうめもどき・りんどう・紫陽花の葉。2番目、姫ひまわり。3番目、檜扇。4番目、べんけいそう。5番目、紅葉した楓・鶏頭。

「茱萸嚢(しゅゆのう)」は、中国の故事に随い、平安時代から重陽の節句に飾られた、長寿と共に邪気を祓い災厄を除く飾り物。その茱萸嚢を見立てて、菊と榊をいけたもの。

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前日の下いけからずっと関わって下さった先生方のお力添えにより、大きな作品もチームワークの力で時間内に仕上がりました。地区の先生方に感謝申し上げます!

 

 
2015年8月31日 北陸新聞

この公開講座の記事が、8月31日の北國新聞に掲載されました。

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