いけばな嵯峨御流

御即位を祝い、御所車に挿花。大覚寺式台玄関に5月6日まで飾られました。

4月30日に、教授/派遣講師5名の先生方と一緒に、奉祝の花をいけました。

嵯峨天皇を御始祖とする嵯峨御流は、天皇の嵯峨離宮に源を発しており、仙洞御所から大覚寺となった貞観18年(876)以来、王朝文化の薫りを連綿と守り続け、現在に伝えています。御所車は、源氏物語などにも登場するように、貴族の乗る雅な牛車です。嵯峨天皇の曾孫が、御所車に色とりどりの花を飾り献じて以来、御所車の館部分を取りはずし勾欄で囲った、格調高い花をいける「御所車」が考案されました。

この度用いた花材には、新しい天皇陛下の御即位を心からお祝い申し上げる気持ちと、令和の御代の平安と弥栄、また天皇様ご家族のお幸せを願う心を託しました。


桐。
桐は、瑞鳥鳳凰が棲む木で、神聖なものとされて、日本国の紋章ともなっています。ちょうど今の季節に紫の花を咲かせています。

 

板屋楓と紅白のツツジ。
新緑のみずみずしさと紅白の花の色に、新天皇様御即位の喜びを表しています。

 

松とバラは「不老長春」の吉祥の取り合わせで、松には皇室の安泰が未来永劫に続く事を、また薔薇は若々しさと壮健を表しています。

 

天皇陛下ご一家の御印もいけております。梓(陛下)はキササゲの事で、金に染めて用いています。ハマナス(皇后)はバラ科ですので、薔薇で見立て、ゴヨウツツジ(愛子内親王)は白い平戸躑躅で見立てています。

ページトップへ