いけばな嵯峨御流

今月号に門跡猊下がお選びになられた言葉は、『月白風清』。この句の出典は、蘇軾の『後赤壁』の一節で、秋の月夜の風情を詠まれたもの。

今月号に門跡猊下がお選びになられた言葉は、『月白風清』。この句の出典は、蘇軾の『後赤壁』の一節で、秋の月夜の風情を詠まれたもの。

 蘇軾は、三国の英雄を思い、それに対して流人である自分自身の身の上を嘆きつつも、8月のある日、明月と清風とを楽しむためにやってきた赤壁で船を浮かべ楽しまれた。そして、その3か月後、再度この地を訪れたとき、名月の頃とは違った険しい表情を見せる赤壁の風景と小さな月を見て、以前見た素晴らしい情景を懐古の想いで詩文にしたのが後赤壁の賦のこの部分だと言われています。

私のいけばなは、赤壁に遊ぶ蘇軾(蘇東坡)の姿を連想したもの。舟に乗り、風に吹かれるまま袂を靡かせて、自分が風になってしまうかのごとき境地に立つ姿を想い入れて。

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