いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

アメリカからのお便り

アメリカの、嵯峨御流北米司所のSusan Kasaさんから近況報告のお便りをいただきました。大変ご活躍で、様々な花展に出品されているとのこと。
写真は、6月にWashingtonD.C.の国立樹木園に於いて開催された、いけばなインターナショナルWashington D.C.支部花展に出品された、Susanさんの銀梅花(myrtle)五行格の作品です。

ギンバイカ英語でマートル(Myrtle)。葉に芳香があり、花が結婚式などの飾りによく使われるので「祝いの木」ともいわれます。とくにイギリスでは、1840年のヴィクトリア女王の結婚式で、ブーケにギンバイカの小枝が使われ
て以来、イギリス王室のロイヤルウェディングでは、花嫁はこの伝統を引き継いでいるそうです。

Susanさんも、コロナ禍になるまでは、毎年来日して大覚寺に参籠されて嵯峨御流の研鑽を積まれていましたが、この数年は外国からの方はどなたも来日できなくなっていましたので、
久々に頂いたお便りは嬉しく、日本の我々にとっても大変励みとなることですので、皆様にもご紹介させていただいた次第です。

お手紙の中には、嵯峨御流のYouTube「夏を感じるおすすめの祭花 檜扇」で、檜扇を祇園祭に飾る意味や、檜扇を祈り花にいけるいけ方を拝見しています。と書いてくださっていました。嬉しい事です。

檜扇

檜扇は古より悪霊退散に用いられたことから、怨霊の怒りを鎮めるために始められた祇園祭には特に“祭花”として檜扇が欠かせないものとされてきましたので、その願いを込めた、一瓶の檜扇です。
15日から17日までの3日間、「祇園祭にいける」に挿花してくださった先生が、毎朝、手入れをしてくださり、檜扇の作品を写真に撮っておいてくださいました。檜扇の花は一日花で、日中に咲いて夕方には閉じてしまいますが、次々と咲き続けます。その様子を、比べてご覧ください。17日の前祭(さきまつり)山鉾巡行の日は、最も沢山の花が開きました!

7月15日


7月16日


7月17日

檜扇の出生についてはこちらもご覧ください。

https://lovegreen.net/languageofflower/p253568/

「第36回祇園祭にいけるいけばな展」

 

2022年07月15日(金)~17日(日)祇園石段下から四条烏丸の各店舗で開催されるストリート花展に京都いけばな協会が強力しています。

いけばな嵯峨御流は「㉔袋物・小物 俵屋」(四条木屋町南側)に挿花展示いたします。

営業時間10:00~18:00
祭花といわれる檜扇をいけています。ぜひお立ち寄りりくださいませ。嵯峨御流ホームページより、こちらも併せてご覧下さい。地図なども掲載されています。
https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_24341/

https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_24326/

 

嵯峨御流ベルギー・ルクセンブルク支部からの活動報告

嵯峨御流ベルギー・ルクセンブルク支部からお便りをいただきました。2018年に創立30周年を迎えて、記念式典及び華展開催された事をこのブログにも以前書かせていただきました。
https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_12849/

以降、二年余り前に、降って湧いたようなコロナ禍で日本同様に研究会を開く事もままならなかったですが、ようやく以前の生活環境に戻ったブリュッセルの今日この頃だと言うお便りとともに、支部長Astrid Maton(アストリッド マトン)先生は、華道の活動を徐々に再開しておられ、先日ルクセンブルグの近代美術館から招かれて、お花を何点か活けて講演も行われたようです。その折に取材を受けられたルクセンブルグ・タイムズの、記事を送っていただきましたので、ご紹介させていただきます。

ルクセンブルクは、ベルギーの隣国であり、国際都市で、個人所得では欧州一の高所得国だとの事。

支部長のご活躍により、ルクセンブルクに於いても、嵯峨御流のいけばなが大切にしている自然を尊び慈しむ心が共鳴を呼び、いけばなを通して人々に新たな感動と喜びの輪が広がって行く事を大いに願っております。
(写真は、ルクセンブルクタイムズのインターネット記事から転載しました。)


https://www.luxtimes.lu/en/community-and-lword/flower-arranging-the-japanese-way-62ac43edde135b9236000240

6月15日。「弘法大師のお誕生祭」

大覚寺で行われた、「弘法大師のお誕生祭」に参列させて頂きました。稚児大師の掛軸が飾られ、花御堂が祀られて、また、伝灯学院生の4名の方の書といけばなが飾られていました。
こうして修行を積まれる伝灯学院生の方々も、嵯峨御流派遣講師のご指導のもといけばなを学ばれています。

6月12日。堺司所創立50周年記念祝賀会でのデモンストレーション

令和4年6月12日。ホテル アゴーラ リージェンシー 大阪堺で開催された、堺司所創立50周年記念の祝賀会に於いて、お祝いのデモンストレーションを「からころも」と題して行わせていただきました。在原業平をモデルにしたと言われている、平安時代の文学作品『伊勢物語』の中から、第9段「東下り」の巻に描かれている、三河国八ツ橋の情景を主なるテーマとして、舞台上にしつらえた花衣桁と景色いけで表現しました。花材はカキツバタ一色です。

「御所車」
デモンストレーションのはじめに、ご挨拶のあとまず御所車をいけました。松に芍薬・百合などの彩りを添え雅やかな世界への誘いの意を込めて。

『伊勢物語』
在原業平一行が東の国へと都を旅立ち、ようよう三河の八ツ橋のところへ着いた時に、一面のカキツバタを目の当たりにして、その場で詠んだ歌に一同感動の涙をこぼしたというお話。
その有名な歌は、「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」かきつばたの5文字が折り句となって詠まれ、そして慣れ親しんだ妻を都へ置いてきた切なさをもしみじみと感じさせる名句です。高貴な公達を連想させるのは、カキツバタの紫の色、紫は嵯峨御流伝書にも禁色の色・高貴な色として伝承されています。

「花衣桁」
花衣桁は、元東山公のお好みと言われ、着物を掛ける衣桁を床の間に見立てて、様々に花を飾れるよう工夫されたものです。流儀によりいろいろの型があるようですが、この花衣桁は嵯峨御流に伝わっているものです。
今日の設えは、向かって左、上から下へ神境、香炉、爵に一花一葉の花。中の柱に如意を掛け、半月花器にはいけ分けの姿。中央床板に据えた志野焼水盤に大株九花五行格と横姿二花で魚道分け。向かって右の柱掛けには六角籠に、「なみだ橋」と呼ばれる蜘蛛の巣とじ葉を流したいけかた。これは、生花で伝承されている「八ツ橋のいけ方」においても主人公在原業平の心を表す部分で、趣向を表す最も大事な要素として欠かせない一株です。3枚の葉を流して先を蜘蛛の巣とじのように丸め、花の後ろには業平の冠の纓と太刀を表す二葉を入れて追い葉とします。
花衣桁の脇に景色いけ沼沢の景でいけたカキツバタは、八つ橋の情景の余韻を表しました。

高幡不動尊あじさいまつり嵯峨御流いけばな教室華展開催

東京都内日野市の高幡不動尊に嵯峨御流いけばな教室が開かれています。
その発表会を兼ねて、6月14日まで開催されている華展を、ご指導なさっておられる先生のFacebook記事から引用させていただきご紹介いたします。
山内の紫陽花や青紅葉、柳などをお寺から戴かれ、13日(月)、14日(火)の両日、あじさいまつりにお越しの方々に楽しんでいただきたいと、一般公開なさっておられます。

5月31日。大正大学 仏教学基礎コースでの授業を担当しました

仏教学基礎コース、今年もご担当は米澤嘉康先生です。私はゲスト講師として春学期に一度、秋学期には実技で一度、担当させていただいています。今年度、春学期は対面授業で、30数名の方が受講されていました。講演の途中で深山の景、沼沢の景、そわかを用いた荘厳華を実演して解説しました。(瓶花は学生がいけたもの)
秋学期は11月29日です。とても楽しみです。

女流京華会 第51回いけばな展

5月21日、22日に開催された、女流京華会 第51回いけばな展。当日、私は会場へは伺えなかったのですが、出品された嵯峨御流の先生から、お写真を見せていただきましたので、ご紹介したいと思います。
テーマ花材の泰山木を用いた6名の嵯峨御流連作作品です。

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