梅田阪急百貨店コンコースウィンドウ7面・迎春いけばなをアップします。
6号「天地」あまつち
地に根を張る南国のたくましい植物の間から見えるはるかな洋上に、ご来光を臨むイメージ。花材は、沖縄からアダンの実を送って頂いた。正月を言祝ぐ松の中でも、もっとも長い葉をもつ「大王松」を用いて。
題字の天地は、天=人、地=山水土。この字は、書家・瀬原篁冲氏が自然との調和をイメージして創作されたもの。
花材:大王松・レッドバインなどの蔓・アダンの実・タビビトノキの花・ドラセナ・
ブロメリア・モンステラ
アダンの実は、沖縄司所前司所長の新垣幸甫先生から頂いたものです。ご主人様と二人で自ら採取してくださった20個の実は、それだけでも貴重であるうえに、いけばなの姿になるようにと葉も軸が付いたものも入れて下さって、段ボール4箱は100㎏を超す重量でした。感謝
梅田阪急百貨店コンコースウィンドウ7面・迎春いけばなをアップします
5号「彩鳳」さいほう
宝珠をイメージした作品。宝珠とは、如意宝珠(にょいほうじゅ)と呼ばれ「意」の「如」く、すなわち「思いのまま」という意味を持つめでたい形。鳳凰の翼をイメージした造形を作品の一部に取り込みながら、宇宙へ広がるイメージを表現。題字の彩の頭には、書家・瀬原篁冲氏のイメージで宝珠が書かれている
花材:槇・落羽松気根(らくうしょうきこん)・千両・白キングプロテア・葉牡丹・海松・ヘリコニア
梅田阪急百貨店コンコースウィンドウ7面・迎春いけばなをアップします。
4号「緂々」だんだん
「緂」の意味は、白から次第に濃い色になる色の組み合わせ。森羅万象を表す五大では、火は燃え立ち、その熱によって万物を育 て、浄化する。この作品では色彩が渦巻きながら熱エネルギーを発するイメージを表した。
花材:ツゲ(着色)・流木の根(着色)・松・サンキライの実・海松・ヘゴ
梅田阪急百貨店コンコースウィンドウ7面・迎春いけばなをアップします。
3号「春風」しゅんぷう
風は万物の生育を助ける。様々な種類の梅の姿に春風のイメージを託す。バックパネルに書かれた白字の「風」は、題字を書かれている書家・瀬原篁冲氏とのコラボレーション
花材:梅・松・胡蝶蘭
梅田阪急百貨店コンコースウィンドウ7面・迎春いけばなをアップします。
2号「豊水」ほうすい
水は生命の根源であり生活の礎。とりわけ、日本では滝は神体として考えられてきた。遠景にサルスベリ・垂桑などで滝を表し、近景に柳・垂柳檜葉・福寿草・万年青などを配す。
花材:サルスベリ(銀着色)・南方竹の根(銀着色)・シュベルティー(銀着色)・スイリュウヒバ・柳・万年青・福寿草
梅田阪急百貨店コンコースウィンドウ7面・迎春いけばなをアップします
1号「夲」ほん
新年歌会始の御題「本」にちなんで。今年一年を<自然と人の調和>によって実り多い豊かな年としたい。この作品は、本から物語があふれだすようなイメージでいけている。題字は、本の俗字「夲」を選んだ。
花材:キャラボク・リュウゼツラン・斑入りサボテン類・ナンキンハゼ・仏手柑・サルオガセモドキ
こんなに大きなウィンドウにいける材料を探すのは、並大抵ではありません。たとえば、大きなリュウゼツランも、ウィンドウではこんな具合に収まっています。3段重ねた本の花器の、真ん中の段右端にいけているのがこれです。このリュウゼツランは、京都嵯峨芸術大学の許可を得て、採らせていただいたものです。
2015年 大阪梅田・阪急百貨店コンコースウィンドウ7面に、嵯峨御流が挿花しました。
梅田の阪急百貨店は、JR大阪駅・阪急梅田駅に隣接する梅田の一等地にあって、一日50万人が通行する場所です。阪急百貨店のコンコースに面した巨大なウィンドウ7面を、40年近く、嵯峨御流の迎春いけばな超大作が飾っています。一昨年から挿花を担当しているのは、嵯峨御流大阪地区連絡協議会です、今年は75名の華道家が制作致しました。私は作品構成と統括リーダー、皆さんと一緒に12月25日の夜中、一晩で7面の作品を完成しました。今年のストーリーは、、、次のとおりです。次のブログで、1面づつ解説を交えてご紹介します。
年の初めに、宮中で催される歌会始(うたかいはじめ)。今年の御題である「本」を紐解き、先人の知恵を学びます。嵯峨御流は毎年、御題に因んだ花器を創作し、御題花をいけて新年を言祝いでいます。本から得たインスピレーションは、<今年一年のエネルギーの流れを、森羅万象すなわち地水火風(ちすいかふう)空(くう)の五大(ごだい)から得よう>というものです。五大(ごだい)とは、宇宙(うちゅう)(あらゆる世界)を構成しているとする地(ち)・水(すい)・火(か)・風(ふう)・空(くう)の五つの要素のことで、命の根本(こんぽん)といえます。
続くウィンドウ2号~6号は
2号「豊水(ほうすい)」=水
3号「春風(しゅんぷう)」=風
4号「緂々(だんだん)」=火
5号「彩(さい)鳳(ほう)」=空
6号「天地(あまつち)」=地 のパワーを表しています。
7号ウィンドウ「吉羊(きっしょう)」
人と自然が絆(きずな)を強めて、豊かな実りを得る。これを、三匹の羊で表現しています。<三(さん)羊(よう)>は、陽の気が満ちあふれ万物に通じ、すべてのことが意のままになりますようにとの願いを表したものです。
月刊嵯峨、1月号。門跡様のお言葉は「荘厳華麗」。
私のいけばなは、黄金這ビャクシンの華麗な姿から、飛翔する鶴を連想したものです。
飛翔の「翔」には羊の字が含まれています。象形文字の羊は正面から見た羊の頭で、先の「、、」は、角を表すと辞典にありました。「美」「善」「祥」「鮮」「養」など、羊は人に多くの恵みをもたらしてくれるものとして、良い意味に使われます。
本年が、実り多く豊かな年となりますよう、吉祥をお祈りいたします。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、大阪梅田・阪急百貨店コンコースウィンドー7面に、嵯峨御流が迎春いけばな大作7点を展示します。巨大なウィンドーで、一面の大きさは、高さ4m、幅最大7m、奥行き約1mです。期間は、12月26日から27年1月13日まで。いけるのは、大阪地区連絡協議会の9司所から約75名の華道家、及び、はな古伝・大阪園芸社の花屋さんと、宮田工務店さんなど、合計約100名。皆さんと一緒に、がんばりますので、近くへお立ち寄りの際は、ぜひ見に来てくださいね。
書家・西野象山先生 玉龍先生 桃笠先生が主宰されている「心象書道会展」に伺い
但馬にお住まいの、西野先生ご一家は、皆様が日展の書家でいらっしゃいます。写真中央は西野象山先生。西野桃笠先生(写真左端)は、但馬司所西村強甫先生の元で嵯峨御流を勉強しておられます。また、玉龍先生(左端)は、幼少の頃、美作司所今石一甫先生と幼なじみでいらしたご縁で、平成25年11月に嵯峨御流美作司所華展の景
色いけ大会場に、迫力の書き下ろしを展示され、拝見したときの感動は今も強烈に心に残っています。
今石先生は、「書の道一筋にがんばっておられる西野先生、自分は地方公務員、それぞれの道を歩んでも、縁は不思議なもので、仕事を通じて再度ふるさととの出会いが待っていました。故郷を共有する西野先生に、書を通して美作司所の華展に華を添えていただき、書と花の出会いが人と人との出会いの大切さをより一層深いものにする
ということを、身を以て体験しています」故郷を思う気持ちが人と人をつなぎ、書と花とをつないだ・この事にとても感動致しました。大きな書は、美作司所華展での作品。
12月8日(月) 東京プリンスホテルで開催された、「いけばなインターナショナルフェアー『流派家元によるいけばな展」に、嵯峨御流が出瓶しました。今年の挿花は、埼玉司所にお世話になりました。華展では、いけばなインターナショナル名誉総裁高円宮妃久子殿下の御巡覧があり、小川秀水埼玉司所長が妃殿下からお言葉を賜りました。フェアーは、『いけばな各流お家元によるいけばな展』のほかにも、『各国大使夫人によるインターナショナルバザー』や、各国大使館やI.I.会員によるバラエティーショップなどがにぎやかに開催されていました。バザー会場では、モロッコ大使夫人・アルール唱子様と嬉しい再会!ができてとても嬉しかったです。昨年、大覚寺で
の嵯峨御流の華道祭「美しい地球をいける『大使夫人といける愛すべき世界の風景』」に8か国大使夫人をお招きして自国の風景をいけていただいた時に、モロッコ大使夫人は砂漠のオアシスをいけて下さったのでした。以来、お目にかかるといつも親しくお言葉をかけて下さるのです。
セレモニーでは、高円宮妃久子殿下がスピーチをなさり、いけばなインターナショナルのモットーである“花を通じての友好“、慈善活動と財源補給のための最も大きなイベントとしてフェアーの意義や協力者への感謝の言葉を述べられました。