9月26日。「山口ゆめ花博」いけばな展の前期展を拝見しました。
https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_12941/
このブログの続きです。
広々した立派なドーム会場の中で開催されているいけばな展は、山口県いけばな作家協会によるもので、いずれの流派の作品も力作で、大変見応えのある花展です。
嵯峨御流から、前後期にわかれて18名の方々が出瓶されているとの事でしたので、何とか拝見したいと思い、生け込み日夜の18時過ぎに会場に伺いました。
青野直甫先生にご案内頂いて会場に到着すると、嵯峨御流の大勢の皆様が会場入口で待っていてくださり、感激しました!
ご重役の大先生をはじめとして、出瓶されている皆様、その中には初めてお会いする方、奥様や子供さんもご一緒の方、後期出瓶だけれど会いに来て下さった方など。お目にかかれてとても嬉しく思いました。
お一人お一人から、作品の意図を聞かせていただきながら、熱い想いを分かち合いながら拝見させていただきました。
花を愛し嵯峨の花を誇りにしていらっしゃる皆様のエネルギーが一層伝わってきて、とても楽しいひとときを過ごさせていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。
9月4日の台風21号により被災された皆様には復旧作業で心身共大きなご負担の日々をお過ごしの事とお察し申し上げます。
大覚寺は、室戸台風の時に匹敵する甚大な被害でしたが、職員の皆様総出で、人力で出来る精一杯まで清掃、復旧、立て直しに全力を尽くされ、拝観も再開されました。
寺内は着々と10月1日に迎える「嵯峨天皇宸翰般若心経戊戌歳開封 大覚寺心経殿開扉『開白法会』」の準備に余念がありません。
寝殿、正寝殿の傷んだ障壁画も、とにかく元どおりの場所にまたおさまっています。大沢池周辺の73本の倒木はまだこれからだそうですが、お寺に伝わる華道嵯峨御流の人達も、一丸となり復旧に尽力していきます。
人々の、お寺を愛する気持ちによって、お寺が日に日に光を取り戻していく姿は、あちこちに深い傷跡があっても、何か勇気を感じる光景です。
大沢池。まだちらほらと見える名残の名古曽蓮が風に揺れて、美しいです。
9月26日。「山口ゆめ花博『いけばな展』」を拝見するため、山口県へ。
9月26日。新幹線新山口駅からシャトルバスで約20分のところで開催されている「山口ゆめ花博」において催されるいけばな展を拝見に行きます。
嵯峨御流からも前後期に分かれて18名の方々が出品されています。
9月27日〜10月2日。
10時〜16時。
会場:山口花博会場内、多目的ドームA ドームグランドフィールド
http://yumehana-yamaguchi.com/index.html
9月8日・9日。嵯峨御流ベルギー・ルクセンブルク支部創立30周年記念イベントのため、ベルギーへ参りました。
9月8日・9日の両日、ベルギー王国 アーロン市の旧裁判所内の会場において、嵯峨御流ベルギー・ルクセンブルク支部会員による花展および記念セレモニーが行われ、私はデモンストレーションのため、招聘を受けて行って参りました。
実は、出発予定の前日に起こった台風21号による大覚寺の甚大な被害により、ベルギーへは当初理事長、華道課長と私の3名で伺う予定でしたが、急遽私一人で、日程・航空便・などを変更して成田から出発しました。
7日到着。ベルギーは日本より少し涼しく快晴のお天気で、会場では忙しくいけこみ作業が行われている中でしたが、会員の皆様とご挨拶を交わし大覚寺へのお見舞いのお言葉もいただきました。早速にめいめい手分けして50杯余りの作品制作にとりかかりました。私は、特設の床の間(支部会員のご友人が作られたもの)に、過去現在未来の三世を表現する「葉蘭三ヶの景」を挿花したり、翌日のデモンストレーションの準備を行いました。
8日、10時に花展が開場し、11時からの開会式典では、ベルギー・ルクセンブルク支部長Astrid Maton様からのご挨拶に続いて、アーロン市長様のお祝いのご挨拶がありました。
ほかに、ご来賓として、アーロン市会議員ゴフィネ様(Goffine Anne-catherine)。
在ベルギー日本国大使館 一等書記官 生駒由紀様。在ルクセンブルク日本国大使館 特命全権大使 鈴木繁治様。
同 奥様は午後のデモンストレーションからご参加。同 二等書記官 広報文化担当 柴田崇史(たかふみ)様。
アールヌーヴォーのガラスコレクターMaria Alonso 様ご一家などの皆様をお迎えして、花展会場で華やかにレセプションが始まりました。
向かって右から。
・在ベルギー日本国大使館 一等書記官 生駒由紀様
・在ルクセンブルク日本国大使館 二等書記官 広報文化担当 柴田崇史(たかふみ)様
・在ルクセンブルク日本国大使館 特命全権大使 鈴木繁治(しげじ)様
・嵯峨御流ベルギー・ルクセンブルク支部長 Astrid Maton様
向かって右・アーロン市長様。
向かって左・市会議員Goffine Anne-catherine様
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・在ルクセンブルク日本国大使館 特命全権大使 鈴木様御夫人
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そして、15時30分から17時まで、ホールでデモンストレーションです。ご来賓を含めて一般の方も大勢参加されて、ホールは超満員になりました。
事前に、新聞に広報記事が掲載されたり、二、三日前に支部長がラジオでしっかり嵯峨御流の事や花展の事をお話しされたため、市民の方が興味を持ってくださったようです。
私のデモンストレーションでは、7作品をいけて、日本の伝統文化いけばなについて、また嵯峨御流の基本的な花態などについて、なるべく一般の方々に親しみを持っていただけるように、という支部長のご意向を汲みながらお話をさせていただきました。
①御題語花器に小品花。
②盛花。七宝1組を用いて。
③瓶花。
④そわかを用いた荘厳華。
⑤荘厳華。七本筒を用いて。
⑥文人華。季節の蔬菜を用いた盛物。
⑦三管筒。富士をいける。
終了後すぐに、写真家の女性が、いけばなを習いたいと仰り、支部長にご紹介できました事は、とても嬉しい事です。
9日は、同会場にて会員一人一人の作品を講評し、会員の方からは沢山の質問があって大変盛り上がりました。18時に盛会裡に花展は終了。
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嵯峨御流ベルギー・ルクセンブルク支部の全会員と顧問の方々
10日、ベルギービール<Orval>を醸造していることでも有名なオルヴァル修道院に、献花を含む表敬訪問を致しました。ベルギー南部のアルデンヌと呼ばれる広大な森林地帯の奥深くに静かにたたずむ、中世の時代からの厳粛な祈りの場です。
http://www.bel2.jp/tourism/article/orval.html
この訪問では当初、嵯峨御流理事長がおこしになるとのことで、特別なご配慮が計画されていました。普段観光では入れない礼拝堂まで入らせていただき、修道士の方から直々に境内をご案内いただきました。礼拝堂は、修道士やお祈りをするために訪れる信仰者、また霊的なさとりを得るために宿泊している人々だけが入れる部分です。
この修道院の中で最も偉いお方が、大変日本をお好きだということで、中庭に、ご自分が石を日本から運んで来て作られた、大きな石庭がありました。この表敬訪問を支部長から打診させて頂いたところ快くお受けくださったそうです。
会員の皆様も、誰一人見たことのない建物の内部、特に石庭では仏教の世界感とも通じるお話を修道士の方から伺うことができて、一同感動いたしました。
創立30周年記念花展の全ての行事が無事に終わり、会員の皆様のご苦労に対してお労いの言葉を申し述べましたところ、皆様からは改めて日本の台風被害による特に大覚寺の被災、また北海道地震へのご心配のお言葉を頂きました。このようなお言葉をいただき、胸が熱くなりました。遠く離れていても、ベルギー・ルクセンブルクの会員の心は日本に届き、我々に勇気をもたらしてくれると思います。
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支部では、パブリシティにも力を入れておられました。
9月21日、22日。日本いけばな懇話会 華展が「流儀花をいける」をテーマに開催され、作品を出瓶しています。
神戸市の生田神社内 生田神社会館4階において開催されています。ぜひご覧くださいませ。
7月19日。六本木俳優座にて、「女人嵯峨」アフタートークに出演しました。
大覚寺勅封般若心経1200年並びに、いけばな嵯峨御流創流1200年を記念して大覚寺が協賛されている、劇団俳小による特別プロジェクト公演「女人嵯峨」の舞台が7月15日から22日まで、東京六本木の俳優座劇場で公演されました。
「女人嵯峨」は嵯峨天皇や嘉智子内親王(檀林皇后)を中心に激動の時代を生きた女性たちの物語です。この公演に、大覚寺、嵯峨御流、龍村美術織物が特別協賛しました。
16日には公演後のアフタートークで竹原善生教務部長が戊戌開封法会についてお話しされ、17日は私が嵯峨御流や大覚寺の歴史を交えながら、大沢池に浮かぶ竜頭鷁首の風景を、デモンストレーションでご紹介させていただきました。
大沢池は、今ちょうど名古曽蓮が真っ盛りですので、その風景を、暁天という品種の茶碗蓮で見立てて池の風景を表現し、竜頭鷁首の一対の船花器に、白いランを嵯峨天皇、赤いランを檀林皇后に見立てていけています。
「宵弘法」は毎年、8月20日の夜18時から行われている、弘法大師様のご遺徳を偲ぶとともに除災招福を祈念し、ご先祖様を供養する「嵯峨の送り火」とも言われる大切な法会です。
法会が始まり大沢池の中ほどに設えられたお焚き上げの山に火が灯されると、みるみるお不動様の後背火焔のごとく大きな炎となり、荘厳な「嵯峨の送り火」が始まりました。ご献灯、灯籠流しなども風流で雅な、大覚寺大沢池宵弘法です。
7月28日。嵯峨御流「遊花一日 夏期大学」を担当しました。
7月28日。華道総司所において開催された「遊花一日 夏期大学」を担当致しました。
「遊花一日」の受講者は、初めての方からベテランの方まで様々なキャリアの方々が一堂に総司所に集い、その日のテーマに沿っていけばなの道に遊ぶ日、ととらえております。
今年のテーマは「日本をいける・夏」としました。デモンストレーションでは182名の受講生の皆様が熱帯植物の持つエネルギーを楽しんで頂けますよう、亜熱帯の植物を使い、「夏至南風(カーチバイ)・熱帯亜熱帯の風景」と題して、南大東島からわざわざ送っていただいた、憧れのアダンをいけて、沖縄の深山の景を表現し、日本の多様性と、亜熱帯植物の魅力をご紹介しました。
舞台中央の作品、田中一村の絵をイメージしながらいけた、沖縄の深山の景です。アダンの木のそばには、シオマネキ(蟹)を添えています。
舞台上向かって右側の作品、今井眞正作 顔の陶器に、糸芭蕉の葉と花、美人蕉を用いた生花。
舞台上向かって左側の作品、大覚寺什 籠製荘厳華器に、ヤシ・コウモリラン・チランジア・エケべリアを用いた荘厳華。
午後からの実技の花材は、ザミア・ソテツ・ヘリコニア・グズマニア・パイナップルです。いける花態は自由とし、イメージで表現した熱帯の風景や、生花、心粧華など皆それぞれに違う作品ができました。
舞台を一緒に支えてくださった4名の講師の先生方は、アダンのずっしり重い重さ、葉の棘(葉の両側面と裏に、鋭い棘がびっしり付いています)に閉口しながらも頑張って下さり、廊下の籐蔓を編んだオブジェを生かして花を添えて頂き、また蓮の葉と花に早朝から水揚げを施して下さいました。
見事に水揚げされた蓮をいける瞬間は、ありがたくて、また蓮の神々しさに感動しました。
「観蓮節」
観蓮節とは、奈良時代、中国の観蓮節にならった宮中の「蓮葉の宴」が始まりと言われています。大沢池の天神島や庭湖石を取り巻く様に一面に咲き乱れる蓮の花の美しさを愛でながら日本の風景の美しさに感謝すると同時に、守ることの大切さに思いを馳せていただきたく、平成19年から大覚寺大沢池の蓮「名古曽」を愛でる観蓮節を、遊花一日夏期大学に併せて毎年開催しています。
助手の先生方をはじめ、この日のために、沢山の方々のお力添えを頂けました事に感謝申し上げます。南大東島の宮城様のご好意、デモのみならず実技のザミア400枚・ソテツ200枚・グズマニア200本という大量の亜熱帯植物を仕入れて下さった花屋さん、舞台設営の大工さん、植物愛好家の方のお力添えと、温室からお借りした珍奇植物、大覚寺の蓮、総司所職員の皆様の献身的なお支え、などなど沢山のお力のおかげと、182名の受講生の皆様の熱意で、熱く日本の夏を謳歌できた一日となりました。本当にありがとうございました。
謹んで平成30年7月西日本豪雨災害のお見舞いを申し上げます。
このたびの西日本を中心に発生いたしました豪雨によりお亡くなりになられました方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
また、被災された皆様にお見舞い申し上げるとともに、被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
祇園祭の四条通り。店舗にいけられた嵯峨御流のいけばな
祇園祭に京都いけばな協会が協賛して、八坂神社から四条通りを長刀鉾の辺りまで各流派のいけばなが展示されています。
嵯峨御流からは、垣花悦甫先生の作品が、四条花見小路北東角のよーじ屋さんに飾られていました。