いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

6月6日は「いけばなの日」

伝統芸能の世界では、6歳の6月6日にお稽古を始めると上達するといわれております。近畿のいけばな協会では、これを踏まえて6月6日を「いけばなの日」として、いけばな文化について考え、発信する日としています。

 地域ごとにいろいろな行事などを実施され、いけばなの普及に努めておられます。その中で、イベントのご案内を頂いた協会のみのご紹介となりますがが、いずれも入場無料催しですので、お時間おありでしたら是非ご覧ください。
※兵庫県いけばな協会は5月末頃にいけばな体験を開催されました。

 

京都いけばな協会  6月3日、4日
「京都いけばなプレゼンテーション2017<自然と造形>」 京都芸術センター

 

大阪府花道家協会 6月11日から13日
「いけばな大阪特別展」  西梅田 ブリーゼブリーゼ1階

 

奈良県華道会 6月3日~5日
『にぎわいの花咲かそう』 奈良町にぎわいの家にて。

 

image1

 

image2@image4

5月28日 「嵯峨祭」。魂に活気が吹き込まれる、祭りの感動。

室町時代から嵯峨の地に伝わる「嵯峨祭」は、毎年5月の第四日曜日が還幸祭で、今年は5月28日に行われました。愛宕神社と野々宮神社の二神二基の御神輿が大勢の威勢の良い若衆に担がれて10時にお旅所を出発し、まず清凉寺釈迦堂、そして12時に大覚寺へ到着。大覚寺勅使門の前で、神官様からお祓いを受け、続いて大覚寺門跡猊下がご加持と般若心経を唱えられる、神仏習合の形で浄めの儀が執り行われます。そのあと、嵯峨野一帯  嵐山までの町内を、御神輿が練り歩きます。先頭を行くのは五基の10mもの長さの鉾。鉾の先につけられた牡丹、麒麟、沢瀉、菊、龍の雅な金具には「かん」が付いていて、鉾の持ち手が独特のステップを踏みながら「かん」を鳴らしながら歩く所作も見所の一つです。

ところで、お祭りに関わる方々が着ている法被には、お揃いの「山々紋」が描かれています。これは、「嵯峨」の漢字のやまへんを重ねたもので、法被の紋は大覚寺の寺章「山々紋」を桜で囲んだもの。桜で囲まれたこの紋は、嵯峨小学校の校章でもあります。


そして、素晴らしいのは、嵯峨の子供達が、小さな二基の子供神輿を担いで、大人と同じように町内を練り歩く事。地元の祭りは、地元の子供達が担っていってほしいと思います。そして子供達に、地域の誇りであり450年もの昔から続く祭りは、自分たちが継いでいくのだという自覚が芽生えることを祈っています。

子供神輿の先頭を歩かれるのは、大覚寺の檀信徒総代でいらっしゃる井上與一郎先生。嵯峨小学校の中村貴子校長先生も、山々紋の法被を着て子供達に付き添われていました。愛宕神社の御神輿は男子が、野々宮神社の御神輿はは女子が担いでいて、元気な子供達の姿を見ていると勇気が一杯湧いてきました。

私も、この地域に生まれ育ち、毎年このお祭りに親しんで参りましたので、勅使門での仏事と神事をどうしても拝ませて頂きたく、わずかな時間でしたが立ち会わせて頂きました。

 

過去の嵯峨祭に関するブログ

https://www.sagagoryu.gr.jp/2016/04/?cat=57

https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_1642/

IMG_3759 IMG_3704 
 IMG_3708 IMG_3714
 IMG_3731 IMG_3739
 IMG_3752 IMG_3719
 FullSizeRender

 

IMG_3721

 IMG_3741 IMG_3724

5月20日。二葉流家元 堀口昌洸先生のお別れの会に参列させて頂きました。

シェラトン都ホテル大阪上本町において行われた、お別れの会に参列させて頂きました。

大勢の方々による白い花の献花に囲まれたお家元のご生前の遺影からは、優しいお人柄が偲ばれます。ご冥福をお祈り致します。

5月28日。いけばなインターナショナル大阪支部 フェスティバルに作品を出瓶しました。

大阪国際交流センターで開催されたいけばなインターナショナル大阪支部第26回フェスティバルで、会員による花展が開催され、出瓶会員の中で嵯峨御流の作品をご紹介します。

当日は留学生対象のワークショップ、エンターテイメント等も行われ、盛会でした。また、各国領事館の花も展示され、インドの花を挿花担当致しました。

_1267714-2_サイズ変更

辻井ミカ

 
_1267702-2_サイズ変更

髙砂由利甫

 
 
_1267722-2_サイズ変更

伊東美知甫

 
_1267713-2_サイズ変更

インド

 
_1267717-2_サイズ変更

海崎幸甫

 
_1267715-2_サイズ変更

留学生対象のワークショップ

 _1267709-2_サイズ変更 

I.I.京都支部花展に出瓶された、嵯峨御流の会員の作品をご紹介します。

5月27日、28日にI.I.京都支部花展が京都市国際交流会館で開催されました。ご案内を頂いていたのですが伺えず残念でした。I.I.メンバーの中で、嵯峨御流の皆様の作品のみを、ご紹介致します。

お写真は、会員の方から提供して頂きました。

1.垣花悦甫、堀井節甫、上村和甫

垣花悦甫、堀井節甫、上村和甫

 
2.田口小枝甫

田口小枝甫

 
 
3.増渕多恵甫

増渕多恵甫

 
4.川原廣甫

川原廣甫

 
5.中西千里甫、井尻順甫、前久保里女甫

中西千里甫、井尻順甫、前久保里女甫

 
6.梅津道甫

梅津道甫

7..

山田幸甫

 
8.倉橋郁甫、中尾光月、田伏澄甫

倉橋郁甫、中尾光月、田伏澄甫

 
 
9.宮野貴甫、秀平彩華、島満甫

宮野貴甫、秀平彩華、島満甫

 
10.浪花馨

浪花馨

 
11.端美年子

端美年子

 

EPSON MFP image

5月19日。神田外語グループ会長 神田外語大学創立者 佐野隆治様を偲ぶ会に参列させて頂きました。

本年3月18日に82才でご逝去された、神田外語グループ会長   佐野隆治様を偲ぶ会が、東京の如水会館で行われました。遺影に献花をさせていただいてご冥福をお祈り申し上げ、会場では現理事長佐野元泰様にご挨拶させていただくことができました。

神田外語大学では、日本の文化の学びを通じて国際理解を深めるという目的で、嵯峨御流のいけばなを在校生や留学生にお教えする機会を頂いています。また、昨年からは神田外語大学の学生さんが大覚寺へこられて、いけばなや歴史を学ぶ体験をされています。交流のご縁を重ねるうちに、神田外語大学の信念である、「言葉は世界をつなぐ平和の礎」というお言葉通り、言葉の学びを通じて世界平和に貢献する人材育成に努めておられることが素晴らしい!と思いました。学生が真の学びを得るためには本物に触れなくてはならない、というお考えのもと、例えば学内には諸外国から取り寄せた本場の調度品を置かれたり、アジアン食堂「食神」という名前の本場のアジア料理を出すレストランを運営されています。神田外語学院を創立された佐野隆治様は、第二次世界大戦後に、「二度と戦争を起こさないためには、外国の人たちと心を通わせられる若者を育てなければならない。」という決意で昭和32年に神田外語大学の前身である英会話学校を設立され、その熱い信念のもと神田外語グループは常に進化し続けておられます。ご逝去の直後 平成29年3月30日、イギリスの高等教育専門誌「THE(Tmes Higher Education)」が作成された「THE 世界大学ランキング日本版2017」において、総合で46位、全国私立大学の中では11位にランクインされたそうです。素晴らしい創始者の熱い想いを受け継がれる学生が、世界平和の実現にむけ自らの力を発揮して行かれる中に、嵯峨天皇様の平和を願う心と、命の大切さを花に託すいけばな嵯峨御流が、人材育成に貢献していることを誇りに思います。

EPSON MFP image

 

EPSON MFP image

 

5月19日。東京上野 寛永寺で、有栖川宮慈性親王様のお墓参りをさせて頂きました。

今年4月9日の華道祭にて、大覚寺最後の宮門跡様であられた有栖川宮慈性入道親王さまの150回御忌法会が営まれました。150回御忌法会の成満ご奉告のため、黒沢全紹門跡猊下、伊勢俊雄宗務総長、草津栄晋総務部長ともに上野寛永寺に同行させていただきました。慈性入道親王は10歳で大覚寺の第44世門跡と蓮華光院門跡に就かれ、密教興隆と大覚寺の護持発展につくされました。ところが、弘仁2年9月、実弟である江戸・輪王寺の第13世公紹入道親王が31歳で夭逝され、後継問題が起こり、大覚寺門跡であられた慈性入道親王に白羽の矢がたてられたという事です。慈性入道親王は10年ほどで愛する大覚寺に帰山することを誓われて、江戸へお立ちになられたということです。しかし、諸事情が重なり、やっと慶応3年10月15日の大政奉還を機にようやく大覚寺へお帰りになる事が認められた直後の11月24日に急逝、行年55才で薨去されたのです。現在、上野寛永寺輪王殿にある宮墓地にある慈性入道親王様のお墓は、今も大覚寺の方を向いて建てられている、ということです。>

 大覚寺HPより、勅使門のお話しもご覧ください。

 https://www.daikakuji.or.jp/about/story_chokushimon/

DSC_7237_サイズ変更  

第50回日本いけばな芸術展が東京日本橋高島屋で開催され、第4次展(5月16日・17日)に出瓶致しました。

<公益財団法人日本いけばな芸術協会のHPより一部引用させて頂きます>

日本いけばな芸術協会は、全国のいけばな流派の大同団結により1966年に創立され、50周年の記念すべき年を迎えられました。

5月10日から17日まで、50周年を記念して東京日本橋高島屋で開催される華展は、「半世紀の夢を咲かせて」をテーマに、198流派1062名の代表作家による作品展示の他、50年の歩み写真パネル展示や子供いけばな体験が行われました。

初日10日には、名誉総裁常陸宮妃華子殿下によるテープカットで幕があき、13日には天皇皇后両陛下の行幸啓を賜わり、盛大な記念展が展開されました。

https://www.takashimaya.co.jp/tokyo/special_event/ikebana.html

 

嵯峨御流から20名の会員が1次から4次に分かれて出瓶しました。

第4次展の私の作品をご紹介させて頂きます。花材は板屋楓、竹の子、タビビトノキの花、百合です。

いけこみの日の15日の朝に、嵯峨のタケノコを切ってもらって東京へ運びました。

タケノコの勢い、新緑の緑滴る板屋楓に、初夏の生命感を感じて頂けましたら幸いです。

image1 IMG_0596 

5月14日。御室流の華展を拝見致しました。

御室仁和寺に於いて開催された恒例の華展が5月13日・14日の両日開催され、14日に拝見させて頂きました。

新緑が鮮やかな晴天の日となり、世界遺産に登録されている伽藍やお庭がひときわ美しく輝く中で献華式が厳かに行われておりました。

現華務長小田美風先生、元華務長で現顧問の川井宏雄先生にご案内頂き、麗しい作品を堪能させて頂きました。

IMG_0416 IMG_0411 
 IMG_0410 IMG_0409
 IMG_0405 IMG_0404

5月12日。いけばなインターナショナル神戸支部で、村上巨樹先生と一緒にデモンストレーションを致しました。

5月12日。いけばなインターナショナル神戸支部からお招きを受け、デモンストレーションをさせて頂きました。

今回は、華道総司所理事として嵯峨御流兵庫南地区を統括して下さっている、村上巨樹(なおき)先生にもデモをして頂きました。村上先生は45歳。技術も気力もお人柄も素晴らしい方で、次代の嵯峨御流のホープのお一人です。

村上先生の作品は、①真竹の五重切りにカマツカとすかし百合。②嵯峨御流が昨年発表した新型花留め「嵯峨八葉蓮」に鴫立沢楓と紫陽花で爽やかな心粧華才の花。③生花様式でカキツバタの魚道。シロバナの縦姿、紫の横姿。④今年の御題花器「野」に、珍しい八角蓮とシラン。

わたくしの作品は、①荘厳華の大作。仏前を飾る祈りの花として誕生した荘厳華は、密教の六大を花型の根本にしています。宇宙の森羅万象である「地水火風空(ちすいかふうくう)」を明確に枝で表現し、その中心をまとめるのが「識」。すなわち、宇宙は、目に見える森羅万象と精神の働きの調和の姿だと捉えているのです。この思想を花で表現しているのが荘厳華の姿です。

空(くう)の枝として用いた真竹のタケノコは、若さと勢いのシンボル。識の部分には神戸の花である紫陽花、華やかな芍薬との取り合わせで、今日お集まりの150名の皆様とのお出会いを寿ぐ花としました。②嵯峨御流の「景色いけ七景」より、神戸の風景を連想しながら、「野辺の景」サツキバイと「沼沢の景」花菖蒲を組み合わせています。身近にどこにでもある日本の美しい風景を、いけばなとして美しくいけて、人々に自然に関心を持ってもらうことは、環境保全の心を育てることにもつながると思っています③荘厳華、「そわか」をもちいて。(写真は、正面が横を向いた物しかありません。)

ご家庭でも簡単にいけていただける、嵯峨御流「そわか」に、棕櫚竹、カラー、鉄線、キキョウラン、ニューサイラン、ピンポン菊、擬宝珠の葉など。④昔から私の父と親しくしていただいていた会員の方から、この日の朝に、宇野仁松作の花器を使って下さい、とプレゼントしていただいたので、即興で斑入りツワブキとシロバナ鉄線を。父も祖父も、宇野仁松さんの花器が大好きでしたので、嬉しいご縁を感じました。

ご来賓のお一人として、東京からわざわざ臼井延子元I.I.会長様がご出席でした。臼井様とは、4月のI.I.世界大会でお世話になりましたので、再会を喜び合いました。もちろん、神戸支部の大勢の役員の方が、世界大会でご奉仕を勤められていました。

I.I.のモットーである<花を通じての友好>は素晴らしい言葉だと思います。今回のデモンストレーションでも、150名の皆様が花を見て笑顔になってくださり、改めて命の大切さや平和を願う心など、人と自然の関わり合いから多くの事を学ぶことができたと思います。いけばなは、言葉や国を超越して、花で心を通わせ会うことができる、素晴らしい交流を生むという事を、今回のデモンストレーションで改めて感じました。

舞台で共演した村上先生、助手を務めて下さった福居先生、福家先生、伊東先生、花材調達や運搬一切をお世話になった大阪園芸社の松岡さん、ほか私の教室の京都大阪の社中さんにも早朝から夜まで何かと助けて頂き感謝しています。

そして、この会にご参加下さった嵯峨御流の皆様に感謝です。最後になりましたが、会場が満員でお断りの方がいらしたそうですが、そういう方もあわせて、I.I.神戸支部の皆様、本当に有難うございました。

写真は、阿部朋也さんが撮影して下さったものです。

IMG_0435 IMG_0436 
 IMG_0438 IMG_0441
 IMG_0442 IMG_0443
 IMG_0449 IMG_0453
 IMG_0454 IMG_0458
  
  
 IMG_0387IMG_0461 
IMG_0463 IMG_0467 
 IMG_0476 IMG_0485
IMG_0486 IMG_0490 
 IMG_0492 IMG_0493
 IMG_0495 IMG_0496
 IMG_0501 IMG_0503
IMG_0505  

 

ページトップへ