いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

平成28年度「第54回密教学芸賞・第48回密教教化賞」授賞式に参列致しました。

10月6日、京都の総本山泉涌寺 妙應殿において行われた授賞式で、5名の方が密教学芸賞を、5名の方が密教教化賞をお受けになられました。

その中で、密教学芸賞に、真言宗大覚寺派の 潮 弘憲僧正様と、もと大正大学で教鞭を執っておられた真言宗智山派の 小山典勇僧正様が受賞なさいましたので、私が御縁頂いているお二方のお祝いに参じました。

11時の開式には、会場は真言宗各山会の僧侶方、錚々たる御方々でうめつくされ、その雰囲気だけでも、両賞の重大さがひしひしと感じられます。

御導師 真言宗長者 総本山醍醐寺座主 仲田順和猊下がご入場になられると緊張は最高潮に。式典は式次に従って運ばれ、仲田順和猊下の御垂示に続く、御三方からの祝辞の中では、大本山大覚寺 教務部長 竹原善生僧正がお祝いの言葉を述べられました。

祝辞の後、密教学芸賞をお受けになられた方を代表されて小山典勇僧正様がご挨拶なさいました。小山先生(と、大学では呼ばせて頂いていましたので)は、大正大学仏教学科で嵯峨御流の授業をさせていただくことになった時の、最初の担当教授でいらっしゃった御方です。以来、御縁で、現在も大正大学での授業を続けさせていただいています。

式典等の写真はご遠慮し、秋晴れのもと風格ある泉涌寺様の御玄関の写真を掲載させていただきました。

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大阪駅北側「うめきたガーデン」オープン記念、お祝いの野外大作を嵯峨御流が制作しました。10月7日から10日まで展示されます。

うめきたガーデンは、10月7日から平成29年3月20日迄、期間限定でオープンされるガーデニングイベント、都会に真ん中に出現する、ガーデニングの「野」です。主催は産經新聞社で、毎日10時から17時までオープンされる有料催しです。

http://umekita-garden.com/index.html

 

10月6日に、生け込みをいたしました。嵯峨御流弘友会司所の先生方、宮田工務店さん、大阪園芸社さん、私、あわせて14人で制作。テーマは「太陽の樹」です。

都会に真ん中の人工的な「野」にいけたいけばな作品は、ビル郡に見立てたポールの間から太陽がエネルギーを放ちながら登るイメージで作りました。

花材は貝塚伊吹、つげ、ツルウメモドキ、鶏頭、ヘリコニアです。

10月7日の産經新聞朝刊(大阪版)に記事が掲載されます。お近くへお立ち寄りの際は、覗いてください。

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10月7日、初日のオープンに、大勢の方がこられ、作品の前で記念写真を撮っておられます。

 
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神戸佳子様撮影

 
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神戸佳子様撮影

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神戸佳子様撮影

 
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10月7日産経新聞大阪版に掲載されました

 

野外研修で、日本伝統文化に触れた一日

今日は、嵯峨御流華道芸術学院本所専修会特Aクラスの野外研修として、京都 金剛流能楽堂を見学させていただき、60名余りの先生方と、草津栄晋総務部長、岡田脩克副総裁とで参加致しました。

金剛流能楽師   宇高竜成様が、能について、また所作について、大変わかりやすく丁寧にお話ししてくださいました。お話しや実演して下さった事は心に深く響きました。

例えば、日本人の感覚の中に深く宿る「木に何かが宿る」とする考え。面(おもて)は、掛けるといわずに、つけるといい、面に宿る命を敬って、押し頂いてから付け外しをされるとか。そのように、日常命を大切に敬い尊敬する所作を大事にしておられる事。また、舞台の立派な鏡板に描かれる松という植物は、常緑で葉が多く、どれだけ葉が散っても散り失せない、また言葉という言の葉も、どれだけ言っても無くならない。すなわち、松には、言葉には、神が宿っているとする考え。

他にも、様々な礼儀やしきたりは、陰陽論に基づく考えが根底にあり、修行の間に体得していくというお話し。シテ方や、ワキ方、囃子方、など、それぞれがその道の玄人で、そういったきっちりしたわきまえ事が守り伝えられて、能の舞台の隅々まで凛とした気配を作っているのだと思いました。

   楽しいお話もたくさん!般若の面は、女性で、ツノが生えている面は女性ばかりだとか。結婚式では女性だけ角かくしをする。舞、おどり、ふりの中で、舞の語源は、旋る、であるなど。

ワークショップでは。参加の約60名の先生方の中から、6名が舞台に上がられ、かまえ、運び、を体験されました。 最後に、宇高竜成様の仕舞「船弁慶」を拝見して、充実の研修会でした。

続いて、たん熊東急ホテル店での昼食をいただき解散となりました。当初は、この後に東寺を見学する事になっていましたが、残念ながら台風接近で東寺は中止です。それでも、午前中の、誇らしい日本伝統文化に触れ、いけばなが大切にしていることを再認識して、心は充分に満たされ、皆様家路につかれました。

今回、研修会は、華道企画推進室副室長の青野直甫先生、特Aクラス助講師の江本浩甫教授がお世話役をしてくださいました。

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9月24日(土)JICA研修。6か国からこられた研修員の方に、いけばな景色いけを体験していただきました。

JICA研修で6カ国から6名の研修員の方に、伝統文化 華道、茶道の体験をしていただきました。6名の方々は、主に観光や資源管理、またツーリズムに関わる行政の方です。

午前はいけばな。私が講師を務め、景色いけ七景をデモンストレーションで説明しました。

レクチャー内容は、概ね次の通りです。

嵯峨御流の「景色いけ七景」は、山から海までの風景を、「連続した水の流れにより生まれるもの」という考えのもと、水の流れにそって生まれる7つの風景を水の取り方にわけて表現しています。水の連続性が生み出す自然風景に加え、さらに人が関わりを持つことから生まれる美しい風景は、その風景と接するたびに、私たちにそのいずれもが人にとって日々における勇気と元気の源となるエネルギーを与えてくれます。「景色いけ七景」は、そんな風景を花で表現し、見る人に自然を愛おしく思う心を育む役割を担っているものだと思うのです。今回JICA研修にこられた方々に、いけばなで、人の心に自然を慈しむ心を育てる事が環境保全の考えに繋がるのではないでしょうか、とお話しさせて頂きました。

ワークショップでは、野辺の風景を連想しながら、薄、女郎花、鶏頭、竜胆、撫子、日陰蔓を、いけて頂きました。

午後の茶道体験は、母 辻井宗けいが亭主となって、薄茶一服召し上がっていただきました。なにしろ、我が家は築120年なので、田舎家ですが、和の雰囲気は味わって頂けたと思います。お茶は、美味しく頂くため、また亭主が客をもてなすために、しつらえにも書や様々な工芸品を用いて、趣向を凝らします。日本の風土、豊かな自然、美味しくてきれいな水が豊富にあるからこそ生まれた文化といえます。

皆様、熱心に話を聞かれ、作法に従ってお薄を召し上がった後、今度は各自がお茶をたて、自分がたてたお茶に舌鼓をうっておられました。自然の中でお茶を楽しむ事も出来ますよ、と母が籐の茶箱を持ち出し、中に仕組まれた小さなお茶碗や建水、茶杓などをお見せしますと、皆様一層興味津々。自然を愛でる楽しみを花とお茶で味わって頂いた一日でした。

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右端の男性は、NHKのプロジェクトXにも出演したことがある釧路国際ウェットランドセンター主幹 新庄久志/氏。jICA研修のコースリーダーで、約1か月半の行程すべてにおいて、皆様を引率指導されます。

 
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9月17日・18日。日本いけばな懇話会主催 京都花会 「秋草をいける」に出瓶しました。

京都建仁寺 塔頭 西来院において、9月17日・18日の両日、日本いけばな懇話会が主催する京都花会「秋草をいける」に出瓶致しました。この度の華展は、秋の草木に想いを深め、未来に向かってのいけばなを提案する、という趣旨で開催されました。今回の出品者は、36名。皆、家元や家元嗣の方々ばかりです。

私の作品は、伊藤若冲の動植綵絵の群鶏図をイメージして、大鶏頭・葉鶏頭を鶏の頭や尾 に見立て、縦長の空間を、床の間の掛け軸のようにとらえていけました。

器は、行器(ほかい)です。ほかいの語源は、祝う(ほかう)の名詞形で、元々は神仏に食物を捧げることを意味したとの事。野遊びの際、食物をいれて運んだ、この行器は、この西来院のお寺の風格ある空間にふさわしいと思いました。嵯峨御流からは、岡田芳和先生も出瓶され、私が撮らせていただいた岡田先生の作品写真を、併せてご紹介いたします。

日本いけばな懇話会は、いけばなの普及につとめること、そして会員相互の研修も目的の一つです。いけこみ日の夕刻から、会員相互の研鑚の為、有識者を交えての座談会が行われました。

テーマは、「今日のいけばな、明日へのいけばな」

・なぜ花をいけるのか

・型について

・瞬間芸術としてのいけばな

・受けとること、伝えること

グループにわかれての分科会は、大変興味深いもので、皆未来のいけばなについて真剣に語り合えた一時でした。

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京都市副市長、藤田裕之様がお越しくださり、親しくお話をさせて頂く事ができて、大変光栄でした

 
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岡田芳和先生

 

龍村織物と嵯峨御流のコラボレーション。9月14日から19日まで高島屋横浜店で開催されました。

高島屋横浜店でのコラボレーションは、嵯峨御流関東地区連絡協議会の先生方が、挿花を担当して下さいました。初日の9月14日には、門跡猊下が御巡覧なさり、内局は草津部長様がご一緒されました。私は残念ながら、拝見に伺えませんでしたが、織物を引き立てるように配慮して、いろどりも緑を基調に控えめにいけて下さったとの事。華道課が撮ってきてくださいましたお写真で、ご紹介致します。

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日本いけばな芸術北海道展 後期の作品をご紹介します

9月8日から13日まで、札幌市内の東急百貨店で開催された、日本いけばな芸術北海道展。

後期は伺えませんでしたが、嵯峨御流後期出瓶3名(有馬実佐甫、大野正峰、小池浩甫)の先生方の作品写真を送って頂き増したので、ご紹介いたします。

 

嵯峨御流は、全国に109の司所があり、日本全国で嵯峨御流の先生方が、活躍して下さっています。北海道にも北海道司所という、しっかりとした拠点があり、今回の日本いけばな芸術北海道展に7名もの方が力作を出瓶して下さいました事を、とても誇らしく思います。

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有馬実佐甫

 
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大野正峰

 
 
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小池浩甫

 

9月17日。龍村平蔵社長様とのトークショー

高島屋大阪店7階催場での、龍村織物と嵯峨御流のコラボレーション。豪華な錦の織物や復元された貴重な古代裂名物裂には、一つ一つにストーリーがあります。

 

さて、9月17日には、四代平蔵社長襲名10周年記念特別企画として、龍村平蔵社長様との約45分間のトークショーが行われました。その中で、20分間デモンストレーションをさせて頂きました。私は、心からの祝意を込めて、文人華「鳳瑞平安」をいけました。この題意は、君子が出現するとき、鳳凰が現れ、梧桐に棲み、竹の実を食べ、醴泉の水を飲むという中国の故事によるものです。鳳凰が棲むという桐、「平安」の異名を持つ竹、そして薔薇の花を添えました。薔薇の異名は「長春」、繁栄が長く続くとの意をこめて。色は、君子の色である黄色を選びました。竹は、金明孟宗竹のイメージで作られた「竹庭錦」に因み、金明竹を使いました。

 

もう一作は、名物裂「大鶏頭金蘭」に因み、手付き籠花器に、葉鶏頭、鶏頭、薄。

 

いけ上がった作品を見て頂きながらの、平蔵社長様とのトークショーでは、とっても大勢のお客様がお見えになられ、ご用意の椅子はすぐに満席となり、沢山の方々が立ってご覧頂く事になりました。社長様から大鶏頭金蘭の解説などを伺えて、時間はあっという間に過ぎ、皆様からは、もっともっと、社長様のお話を伺いたかったとの声しきりでした。

 

龍村織物HPにも掲載されています。

 http://blog.livedoor.jp/tbo3251/archives/52146279.html?utm_source=20160920-fb-10thtalk&utm_medium=20160920-fb-10thtalk&utm_term=20160920-fb-10thtalk&utm_content=20160920-fb-10thtalk&utm_campaign=20160920-fb-10thtalk

  
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龍村美術織物展 ~嵯峨御流競演「花・織・美」~高島屋大阪店と、高島屋横浜展で、始まりました!

9月14日から19日まで横浜で。

9月15日から20日まで大阪なんばで。

龍村美術織物様と嵯峨御流のコラボレーションが始まりました。

 

9月15日に、門跡猊下、内局様とご一緒させていただき、大阪なんば高島屋7階催会場を拝見しました。

挿花は阪南和歌山地区連絡協議会が担当して下さり、御所車、花衣桁、龍頭鷁首、また、会場入口真正面には、4代平蔵社長が考案された「竹庭錦」の帯の両脇に、庭湖の景と十二律管が飾られています。丁度、今日は仲秋の名月。旧嵯峨御所大覚寺では観月の夕べが開催される日でもあり、庭湖の景に満月が映り込んでいるかのようにも思えて風流でした。

 

龍村織物の中でも、高島屋ブランドの龍村錦帯は、絢爛豪華なシリーズです。

高島屋さん、ならではの華やかな帯とタペストリーと、嵯峨の花の出会い、皆様もきっとお楽しみ頂けると思います。

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JR嵯峨嵐山駅。改札脇に、嵯峨御流のいけばながいつも飾られています。

JR嵯峨嵐山駅の改札脇に、嵯峨御流のいけばなが飾られています。

京都嵯峨芸術大学の華道授業履修生がいけ、休暇中は担当講師の先生方がいけて下さっています。7月~9月の作品を、前を通るたびに撮影しましたので、ご紹介致します。

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