いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

第20回世界バラ会議福山大会2025 嵯峨御流がRoseExpoの会場エントランスに挿花しました

3年に一度世界中のバラに関する学識者が集まられ、様々なイベントが開催される世界バラ会議の中の、RoseExpoの会場エントランスに、嵯峨御流の御所車の大作「不老長春」を、福山司所の皆様と一緒に挿花しました。
「不老」を五葉松で表し、「長春」の異名を持つバラは4種類つかいました。真紅のバラ(アマダ、サムライの2種)蔓バラ(ノックアウト)、日本原産のノイバラ。
ほかに、新緑の楓や金柾木などを添えて。
 
このRoseExpo5月17日から19日までの3日間、愛情を込めて花材のメンテナンスしていただいたおかげで最後まで瑞々し今まご覧いただくことができました。
17日には、デザイナーズトークイベントにも出させていただき、フラワーデザイナー曽我部翔様、コーディネーターとして世界バラ会議スーパーバイザー白砂伸夫先生と作品のコンセプトなどお話しさせていただきました。
この度の私共の作品には、ノイバラも使っています。花時は出回らないので育てている方にお願いして分けてもらったものです。
私がお話ししましたのは、不老長春のテーマについて。
いけばなで、松と薔薇は、古くからおめでたいとりあわせとしてお祝いの席などによくいけられます。松と薔薇の作品の題は「不老長春」です。「不老」とはいつまでも年をとらないこと。そのことから、末永く翠(みどり)を保つ常盤木の「松」の異名になっています。
「長春」とは一年中の春を示し、また「薔薇」の異名でもあります。
この二つの異名を合わせた雅題が「不老長春」です。
日本には、古来よりノイバラやハマナスなどの原種のバラが自生していました。
「長春」の異名を持つ薔薇は、中国原産で咲く時期の長いコウシンバラで、日本に渡来して栽培されるようになりました。その後西洋から大輪の立派なバラが渡来し、これらも「長春」の異名で祝意を込めて用いています。
 
そして、作品に託した薔薇の街福山への想い。
福山にとってバラは、戦後復興の希望と平和への願いをバラに託して市民の手で植えられ、守り育てて今日まで育み受け継いできたものです。
また福山のバラの歴史をさらに遡れば、芦田川の中州に残されていた中世の集落遺跡(草戸千軒遺跡)で、ノイバラのトゲが発見されるなど、古くから福山の地に自生していました。ノイバラが人の暮らしのすぐそばにあって、ひとびとを守ってきた存在だったのだという想いから、原種のノイバラをどうしても使いたいと思ったのです。
 
御所車は平安時代に皇族や貴族が使われた乗り物であり、嵯峨天皇の時代から使われていたと考えられます。
 
福山の観光地としてよく知られています鞆の浦は、古くから潮待ちの港として栄え、万葉集にも詠まれています。江戸時代、「日東第一形勝」(日本で一番美しい景勝地)と賞賛された景観を鑑賞できる「対潮楼」のお寺である福禅寺は、山川龍舟門跡猊下が住職をつとめられるお寺です。

 

フラワーデザイナー 曽我部翔様の作品前で。曽我部様、大野耕生様と。大野様の作品は、エントランスを半円形に囲む「薔薇の壁」

 

福山司所の皆様と共に制作し、3日間のメンテもしていただきました。

5月16日。ホテルニューオータニ大阪での花展に出品しています。

5月16日(金)10:30から16:00まで、いけばなインターナショナル大阪支部の花展が、ホテルニューオータニ大阪 2階、ニューヨークスワンの間にて開催されています。私も出品していますので、ご覧いただけましたら嬉しいです。(わたくしは会場には不在です)

 

嬉しい花束

いけばなインターナショナル第13回世界大会2025でのデモンストレーションの舞台を4月27日に無事終えることができましたのも、多くの方々のあたたかい応援と、お見守りのおかげです。そして舞台を成し遂げるという目的に向かって共に苦楽を共にしてくださった、信頼感で結ばれたチームのおかげ、感謝に尽きます。
最もご苦労をおかけした方から、逆にサプライズでお花束をいただき、胸がいっぱい。

 

平安神宮献花会

平安神宮献花会。嵯峨御流の出品作品。

 

 

靖国神社に嵯峨御流が献花をさせていただいています。

靖国神社では、拝殿前の華席で、献華協会に属する流派によるいけばなが献華されています。
 
5月3日~5月9日は「嵯峨御流」による献華です。嵯峨御流の、関東に拠点を置く司所の先生方が出品してくださっています。
完成した作品のお写真を、挿花された先生からいただきましたので、ご紹介いたします。
まだいけこみ中の作品は撮影できておりませんので、悪しからず。

華道祭 2025「シン・日本をいける」

4月11日から13日まで、嵯峨御流華道祭が開催されました。
全国104司所及び海外司所/支部の作品が華道芸術学院2階と供待に一堂に並び壮観です。また、華道役職席として、嵯峨寮一階と宸殿をはじめとしたお堂の随所に嵯峨御流の代表的な作品が飾られました。学院一階には今年もいけばな体験会場を設け、多くの方々にご来場いただきましたこと、大変嬉しく存じます。
13日の嵯峨天皇奉献花式は、播南司所が担当され、清々しい雰囲気の中、恙無く厳かに式典が行われました。
三日間を通して五大堂と茶室「望雲亭」で茶席がかけられて、桜の花びらが舞い散る中での優雅な茶席は夢のような美しさであります。
 
さて、来年は大覚寺は寺号勅許1150年を迎えられます。華道祭も趣向を凝らして開催される予定ですので、ぜひ来年もお越しくださいませ。

「第58回日本いけばな芸術展」に出品します

日本橋高島屋で開催される、「第58回日本いけばな芸術展」。5月21日(水)から26日(月)まで、一次、二次、三次展と2日ずつの開催となります。
わたくしは三次展25日・26日の両日出品します。嵯峨御流としては、一次展5名5席、二次展3名3席、三次展6名6席の出品となります。
ぜひご高覧くださいませ。


https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_35326/

「第20回世界バラ会議福山大会2025」に出演します

5月17日(土)から19日(月)まで、福山通運ローズアリーナで開催される「第20回世界バラ会議福山大会2025」のエントランスに、バラを用いた和の大作をいけます。そして、17日の初日11時から11時40分まで、フラワーアーティスト曽我部 翔様と、ロースエキスポ総合プロデューサー白砂伸夫様とのデザイナーズトークにも出演します。
詳細はこちらの公式ホームページをご覧くださいませ。


https://wrc2025fukuyama.jp/roseexpo_event/5645/#post2

 

いけばなインターナショナル第13回世界大会

<花を通じての友好>
<Friendship through flowers>
をモットーに活動されている「いけばなインターナショナル」主催の、5年に一度日本で開催される世界大会が、4月25日から28日まで、国立京都国際会館で開催されました。名誉総裁高円宮妃久子殿下ご臨席のもと、メインイベントのデモンストレーションが26日、27日の両日に行われました。26日には小原流、一葉式いけばな、池坊。27日は龍生派、嵯峨御流、未生流、草月流。
 
嵯峨御流は、「大覚寺の四季」をテーマにした4作品。そして5作めは僧侶の声明 散華の中で荘厳華をいけました。
夏は、御殿川に蛍が飛び交う風景を、枕草子 ”夏は夜 月の頃はさらなり。闇もなお 螢の多く飛びちがひたる”を引用して描きました。
秋は、大沢池の池畔の室内から、秋の満月を臨む情景を、花衣桁を用いて表しました。
冬は、雪持ちの松をいけ、床の間に見立てた花衣桁に卯杖や桧扇を掛けてお正月飾りとしました。
春は、平安時代 嵯峨天皇の離宮「嵯峨院」の庭が今も現存する、最古の庭園池「大沢池」の桜の風景で表現しました。
最後に、声明と散華で浄められた舞台に荘厳華。荘厳華の中央に五大陸を象徴して五色の牡丹を挿し、様々な異なる文化の融合と平和の実現を願いました。
 
華展会場の嵯峨御流席には、華道総裁 山川龍舟門跡猊下の作品として、十二律管に松と桜をいけています。
 
この度の世界大会には、世界44カ国の国と地域140以上の支部に所属する6,500名の会員の中から約1100名の方が来日され、また嵯峨御流のデモンストレーションには、会員に加えてビジターとして330名あまりの方がご参加下さりデモンストレーションをご覧いただきました。また、28日には会員対象のツアーで、大覚寺へ約100名の方がお越しになっています。
 
デモの写真は撮れませんでしたので、この期間中のたくさんの行事の折々に撮っていただいたお写真をランダムにご紹介し、雰囲気だけお伝えできればと思います。

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