池に竜頭鷁首の船を浮かべて舟遊びをされた平安時代の天皇様の御殿を想像することができる風景が、京都嵯峨「大覚寺」です。『光る君へ』ファンの皆様はお立ち寄りになられてはいかがでしょう。
池の北側には、藤原公任が
「滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ」
と詠まれた名古曾の滝跡の石組みがあります。
源倫子や藤原彰子に仕えた女流歌人の赤染衛門は、
「あせにける いまだにかかり 滝つ瀬の はやく来てこそ 見るべかりけれ」と詠みました。
(勢いが衰えてきた今でも、岩にかかる滝の流れを人は早く見ておいた方がいいと思います)この歌からすると、衰えて往時の音は聞こえないが、少しは流れていたことが伺えます。
そして嵐山は嵯峨のすぐ隣。大覚寺前から28番京都市バスが嵐山に直結していますが、歩いてでも行けます。
平安時代にできた、今は渡月橋と呼ばれるこの橋、嵯峨天皇が離宮嵯峨院から法輪寺へ虚空蔵菩薩を拝まれる行幸に際して架けられた事から、元は法輪寺橋、やがて御幸橋(みゆきばし)と称されたと、法輪寺御住職にお話を伺いました。古書にも記されています。
7月8日東京 大正大学2024年度仏教学基礎ゼミナールにおいて講義をさせていただきました。
大正大学仏教学部で講義をさせていただきました。演題は「いけばなで自然と命の大切さを学ぶ」。
写真は、デモンストレーションでいけた「景色いけ『深山の景』『野辺の景』」「そわかを用いた『荘厳華』」「瓶花」を仏教学科の事務室前に飾ってくださったものです。



東京国立博物館「大覚寺展(通称)」が 7月4日にプレスリリースされました。
7月4日に、東京国立博物館 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺―百花 繚乱りょうらん 御所ゆかりの絵画―」がプレスリリースされました!
来年1月21日から3月16日まで開催。いよいよ始まりますね!
東博の大講堂において開催された報道発表会では、主催の大覚寺・東博・読売新聞社を代表して伊勢俊雄大覚寺執行長と東博副館長様がご挨拶なさいました。
続いて学芸企画部より本展チーフの金井裕子様から作品展示と見どころのお話しがありました。大覚寺の障壁画123面が、お寺の外へ持ち出されるのはお寺の歴史史上初との事です。しかもそれらを一室全面に大パノラマで見ることができるという事、平安時代の仏師・ 明円によるご本尊「五大明王像」や、大覚寺とゆかりの深い天皇の書なども並ぶということ、源氏ゆかりの名刀「膝丸」などなど、寺宝の数々が東博ならではのコンセプトに沿って展覧されます。
そして、本展PR大使・音声ガイドを務められる、京都出身の吉岡里帆さんがはんなりしたお着物姿でご挨拶なさり、背景の原寸大障壁画の前で伊勢総長、東博副館長様とのフォトセッションが和やかに華やかに行われていました。
吉岡さんの透き通るようなお肌に、周りの女性からはため息が聞こえます。涼やかなお声で
語られたのは、
「大覚寺さんはおうちからも近くて、大沢池には幼少期から学校の課題の絵を描きに行っていました。入った瞬間からタイムスリップできるような、その空間が大事に守られてきたような美しく、神聖な、自然が守られている風情のある場所。しかも寺院が美しくて煌びやかな印象もある。今回の展覧会の見どころは、門跡寺院で天皇家とのゆかりが深いということで、皆様にそれが豪華な形で伝わるのではないかなと思う。今回のメインは障壁画が100面以上集まり一室全体が障壁画で埋め尽くされるという、そのような空間を体感できるのが楽しみ、またとない機会となるので皆様もぜひ楽しんでいただきたいと思います。」PR大使としては、「みなさん嵐山へ観光に足を運ばれる方も多いと思いますが、嵯峨と嵐山は本当に近くて、観光地としてだけではなく、私も住んでいたからこそわかる由緒正しい場所。厳かな雰囲気と煌びやかな歴史を音声ガイドなどやこのような場所でPRして行けたら良いなと思います」と。
テレビのワイドショーやニュース、新聞、雑誌など大勢のメディアの方が来られていて、同日に早速沢山の記事がアップされていました。今後テレビなどに放映されるかもしれません。
インターネットで、「吉岡里帆 大覚寺」
と検索されますと沢山の記事がアップされています。
たとえば、こちら
写真は、会場でいただけるパンフレットです。
-祇園祭にいける- いけばな展ストリートギャラリー
7月15日から17日まで、四条通り(烏丸通りから八坂神社まで)の29箇所のお店のショーウィンドウなどに京都いけばな協会所属の華道家がいけばなを展示しています。
わたくしは、四条河原町に近い「十三や」さんにいけさせていただきます。ぜひお祭見物方々いけばなもご覧くださいませ。
こちらのページの中から、全流派作品の設置場所の地図などがダウンロードできます。
大覚寺 菊ヶ島の辺りに「名古曾」蓮が咲き、その大ぶりの妻紅の花びらを久しぶりに見ることができました。今年の花はこの2本だけですが、名古曾と命名された蓮を再び大沢池で見ることができて幸せです。
写真は、6月29日撮影。
梶の葉にしたためられた文字は、
「健やかでありますように」
いつもいつも、友の言葉に勇気をいただきます。

6月18日。いけばなインターナショナル(通称I.I.)京都支部のお招きを受け、デモンストレーションをいたしました
ホテルブライトン京都 慶祥雲の間にて開催されたI.I.京都支部6月例会には170名を超える方々がお集まりになり、大変華やかで晴れやかな雰囲気です。小田ひさ甫会長の、英語日本語でのご挨拶ののち、嵯峨御流独特の景色いけを大きな作品にして、約1時間デモンストレーションでご覧いただきました。
約10メートル幅の舞台にいけた3作品は「沼沢の景」「深山の景」「海浜の景」です。
沼沢の景はガラス器を4つ用いて、湿地帯に育つ時候の花を取り合わせ、一番前には睡蓮をいけて水辺の涼感を表現。
深山の景では3mの白杉を用いて京都北山の風景を描き、はるか桟敷ヶ岳の辺りから高尾山を通り清滝へと流れる清滝川の渓流を、青楓の重なりの下に表現しました。
海浜の景は、スケルトンの器にカスミソウ、デルフィニウムなどを波頭に見立てて。その波間から「椰子の実」を、浜辺に流れ着くあの有名な童謡を連想して。
本日の舞台は、I.I.京都支部の役員の方々の親身なご配慮と熱意、いつもデモンストレーションで一緒にいけてくれる人を中心としたチームの力、客席の応援とお見守りのお力のおかげで無事終えることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。カスミソウの花言葉「清らかな心」「感謝」にわたくしの心を通わせていけさせていただきました。
いけばなインターナショナルは、いけばなのすばらしさと日本文化の紹介を通じ、相互理解と友好の輪を世界に広げる趣旨で、故エレン・ゴードン・アレン夫人により1956年に東京に設立されました。現在世界50カ国あまりの国と地域に160以上の支部、およそ7500人の会員を有する公益社団法人で、5年ごとに日本で世界大会が行われ世界からいけばな愛好者が日本に集われます。来年2025年4月25日から28日まで京都国際会館で第13回世界大会の開催が決まっており、嵯峨御流も27日にデモンストレーションをすることになっています。
古流松應会いけばな展が、東京日本橋のコレド室町で開催され拝見させていただきました。
お家元千羽理芳先生のお作品のみお写真でご紹介します。

6月15日。昭和4年6月20日創立の東京司所95周年記念華展を拝見しました。会場は、司所創立以来ずっとお世話になっておられる高野山東京別院様です。6月15日、本堂で10:30から青葉祭(弘法大師降誕会)法要に参列させていただき、東京司所が毎年の如く今年もお供えされた献花を拝見しました。
青葉祭法要終了後、玄関前の広場にてご参集の大勢の来客に見守られながら大覚寺執行長伊勢俊雄僧正様ご臨席のもと嵯峨御流いけばな展開会式が華々しく行われ、わたくしもテープカットに参列いたしました。
書院など和の空間を上手く生かされ変化に富んだ作品展示、廊下にも誘いの花々がならび、別室の休憩室は「嘉祥の日」にちなんだしつらえ。作品全てではありませんが、わたくしのスナップ写真でご紹介させていただきます。
本堂から華展会場への回廊
別室 「嘉祥の日」の趣向飾り
京都いけばなプレゼンテーション2024の嵯峨御流作品
6月1日、2日の両日開催された京都いけばなプレゼンテーション2024に出品された嵯峨御流の作品をご紹介します。
今回のテーマは<Leaf 葉をいける>
「6月6日はいけばなの日」に因んで毎年開催されるこのプレゼンテーションは、京都市・京都市芸術文化協会が主催されて、京都いけばな協会が協力しているものです。