いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

5月2日、京都上賀茂・大田神社にて、「大田の沢の杜若といけばな」のテーマでお話

京都市内上賀茂にある大田神社内の「大田の沢」で、天然記念物のカキツバタが盛りをむかえようとしている5月2日(土)に 、上賀茂の地元の方が主催される「第15回寺子屋」勉強会に、ゲスト講師としてお招きいただきました。 「寺子屋」のスタートは、「主は変わるが社家住宅は残す」のテーマを以て、賀茂文化についての勉強会
を続けていらっしゃいます。 今年10月に行われる上賀茂神社御遷宮の際、10月17日に大覚寺嵯峨御流献花式法会が行われる事が決まっており、今回の寺小屋は、<大田の沢の杜若といけばな。~大覚寺嵯峨御流のいけばなの世界を知ろう~>でした。

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今回は「寺子屋」始まって以来、初めて大田神社の拝殿において開催されたとの事ですので、まずカキツバタを献花式の作法で献花させていただきました。大田の沢のカキツバタは天然記念物、一千年を越える昔からこの沢に在り続けています。宮司様のお話では、この沢に一千年以上、常に水の流れが滞らずながれているから、との事。
私は、大田神社と大田の沢のカキツバタを愛する地元の方々の意識が高いからこそ、この風景が変わらず存在するのだと思いました。

因みに、いけたカキツバタは、沢から取ったものではありません。華道総司所から、携えていったものです。

献花に続いて、大覚寺嵯峨御流のいけばなの紹介と、映像により献花式の説明を致しました。

後半の討論会では、太田神社の神職様と社家の方とで、「大田神社の歴史と杜若といけばな」についての意見交換会となりました。

大田神社宮司様のお話は、神社の歴史と天皇家との深いご縁など、淡々と語られるその内容は驚きの連続でした。

I.I.大阪支部フェスティバルに作品を出瓶しました。

4月26日(日)、いけばなインターナショナル大阪支部・第24回フェスティバルが大阪国際交流センターで開催され、私は流派代表として作品を出品しました。花材は、楓二種、芍薬、鉄線、錦松古木。フェスティバルでは、毎年開会式に在大阪総領事館から、各国総領事や御夫人が出席され、I.I.会長を交えてのセレモニーがあり、終日会員による華展・留学生対象のワークショップ・お茶席・エンターテイメントなど楽しい行事があります。I.I.のモットーである<花を通じての友好>の場にふさわしく、在大阪総領事館の作品も並び、盛会でした。

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I.I.とは:いけばなインターナショナル公式HPより
http://www.ikebanahq.org/
一般社団法人いけばなインターナショナル(通称 I.I.)は、生け花の精神と芸術性に深い感銘を受けた米国人エレン・ゴードン・アレン夫人(Mrs. Ellen GordonAllen)により、「花を通じての友好」をモットーに、1956年に東京に設立された国際的な文化団体です。国籍も所属流派も多様な会員が、生け花とそれに関連した日本
の文化・芸術の紹介を通して相互理解と友好を深める活動をしています。
 当初20数名で発足した組織が、今日では、全世界50数ヵ国および地域に163支部が設立され、会員数7600名を数えるまでに発展。日本国内には、札幌、仙台、東京、埼玉、鎌倉、信濃、名古屋、大阪、神戸、京都、広島、福岡、沖縄の13支部があり、登録会員は2000名に達しています。
名誉総裁高円宮妃久子殿下。
5年に1度「いけばなインターナショナル世界大会」を日本で開催。次の世界大会は、2017年4月に沖縄で開催されることが決定しています。

大田神社のカキツバタ

神山や大田の沢のかきつばた

           深き頼みぞ色にみゆらむ 

                                                藤原俊成

 

平安~鎌倉初期の歌人 藤原俊成76歳の『五社百首』の中の一首。

京都市の北のほうにある上賀茂は、平安の昔、一面の湿地帯であったところを賀茂氏が開墾されたといわれています。大田神社は、賀茂氏に崇敬された神社で、その境内には、古代の沼沢の名残である「大田の沢」と呼ばれる沼沢があり、古代からカキツバタが自生していたようです。昭和14年に国の天然記念物に指定されています。

 

冒頭の歌の意味を、松本章男『京都うたごよみ』の解釈を引用させていただくと、「神山(こうやま)」は上賀茂神社の御祭神・別雷神(わけいかづちのかみ)が神山に御光臨されたことから、上賀茂神社の摂社の大田神社にかかる枕詞。「頼み」は神への帰依・信仰心。「大田の沢の杜若は今年もすでに花をひらいたことでしょう。賀茂の神への深い帰依心があるから、あのように濁りのない、清らかな紫の色に咲くことができるのですね」となります。

 

4月24日に、おそらく今年はじめての開花が見られました(写真提供:法眼玲子様)2輪並んで咲いています。沢山の蕾が、これから一斉に咲きだすことと思います、楽しみです。

5月2日に、京都上賀茂・大田神社にて、「大田の沢の杜若といけばな」のテーマで講演をします。

大田の沢の杜若が盛りをむかえる5月に、地元の方が主催される「第15回寺子屋」勉強会にて、ゲスト講師にお招きいただきました。「寺子屋」のスタートは、「主は変わるが社家住宅は残す」のテーマを以て、賀茂文化についての勉強会を続けていらっしゃいます。

今年10月に行われる上賀茂神社御遷宮の際、10月17日に大覚寺嵯峨御流献花式法会が行われる事が決まっており、今回の寺小屋では、私が大覚寺嵯峨御流のいけばなの世界と、映像により献花式の説明を致します。

なお、後半は討論会となり、太田神社の神職様と社家の方とで、大田神社の歴史と杜若がいけばなの世界を見らせたわけ」について意見交換会となります。

日時 5月2日(土)14時~16時

場所 大田神社内

見立ての面白さ~障壁画との融合~

先日の華道祭(4/10-12)で、宸殿の障壁画の前に生けられた荘厳華です。相生の松を役枝に見立てて、一対の花器が丁度松をいけたように配置されていて、面白いですね。

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華道京展、後期

大丸京都店で開催されている、華道京展後期を拝見しました。
嵯峨御流から、代表者垣花悦甫先生の作品と、中嶋啓甫先生・中西千里甫先生・上村和甫先生3名の連作です。

琳派400年にぴったりの風神雷神の壺、瑞々しい楓と鉄線の取合せが素敵です。

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華道京展

4月17日に、京都大丸で開催された華道京展を拝見しました。

前期出瓶の嵯峨御流の作品をご紹介します。代表者席、垣花悦甫先生。
流派席には長谷川 明洲先生、林 基甫先生、大塚久甫先生。
黒の和モダンを意識されたような会場構成でしたので、嵯峨御流の桜の作品は、まるで夜桜を思わせるような雅な風情でした。

会場入口には、今年1月に発表された新型荘厳花器「そわか」を使った作品が展示されていました。

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京都御所春の一般公開

4月3日から7日まで、京都御所春の一般公開が催されました。
今回のいけこみは、紫宸殿西側の回廊で、嵯峨御流京都地区宇治司所が挿花を担当されました。
八汐つつじ、這いビャクシン、百合、など。

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The 3rd Day of the Flower Arrangement Festival: April 12th

On the day that was blessed with fine weather, the Flower Arrangement Festival “Flower Memorial Dedicated to Emperor Saga” was held with the flower offering ceremony performed by the “Tan-en branch” of the Kyoto Northern district.  At 10:30 a.m., the long procession of priests and flower dedicators departed from the entrance gate and made the first flower offering at the Hanakuyouto Flower Memorial.  As many people watched over, the procession progressed through the Chokushimon Gate to the stone stage, greeted by the Japanese court music performance.
Once the procession reached the stone stage, the music ceased.  In the complete silence, the offering of the flower memorial handwritten sutra was performed, followed by the sound of a bell made by a priest to commence the flower offering ceremony.  The 30 flower offering attendants dressed in the former attire, Chihaya, made offerings of small flowers in front of the hall.
And then at the sound of shaku, the flower dedicators faced each other and began to arrange the set of flowers.  Flower dedicators, assistants and attendants were all positioned in pairs to perform in synchronicity.  The moments were filled with solemnity as we viewed the movements in complete unison.
As the flower dedicators held the completed arrangement of cherry blossoms, the hearts of all ceremony attendants joined together naturally.
The flower offering was placed inside of the Shingyo den Hall, followed by the tea offering made by the “Teiko-kai”.  And then the sutra recitation was performed, followed by the Japanese court music performance by the “Miyabi –kogakkai”.
The memorial was performed in a solemn manner for 1 hour and a half.
It was our great honor to have an honorable attendance of the Deputy Mayor of the City of Kyoto, Mr. Hiroyuki Fujita as well as the visit to the flower exhibition halls.  In the photograph with the Deputy Mayor are Mr. Kougetsu Hattori, the head of the Planning Division, and Mr. Chishu Murashima who guided the flower exhibition.  In the other photograph is the headmistress Kozan Okada of the Kozan School from Tokyo.
The flower exhibition had participation from our 109 nationwide branches and 20-plus overseas branches; the tea service was performed by the Teiko-kai; cooperation from the purveyors; the Headquarters professors, instructors, and the temple employees; more than 200 people functioned as staff to provide support throughout the 2 days of preparation and the 3 days of the event.  I extend my heartful gratitude to everyone who came to the event.  At the same time, I deeply apologize to those of you whom I was not able to greet in person.  With support from everyone, the 3 days of the memorial flower festival dedicated to the founder, Emperor Saga was held successfully in peace once again this year.

(Translation: Reiko Hogen)

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華道祭3日目 4月12日

晴天に恵まれたこの日、華道祭「嵯峨天皇奉献華法会」が行われ、献華式は京都北地区の≪丹円司所≫が担当されました。10時半に玄関門を出発した、僧侶方と献花者の長い進列は、まず華供養塔に献花。そして大勢の方が見守られる中、雅楽の演奏に迎えられて、勅使門から石舞台に向かいます。
石舞台に到着すると、雅楽の音は止み、完全な静けさの中で、華供養写経奉納、続いて僧侶の鐘の合図で献花式の始まりです。千早(ちはや)を着た30名の供花侍者が、それぞれ捧げ持つ小さな花をお堂の前に供えました。
師範代表の杓の音が響くと、献花者は向かい合って、一対の花をいけ始めます。献花者及び献花従者・献花侍者(じしゃ)は、すべて2人づつ対になるよう配置され、2人は心と呼吸を合わせて所作を行います。ぴったりとそろった動きを見ているだけでも厳かさがひしひしと伝わる瞬間です。
いけ上がった桜の生花を捧げ持つ献花者の姿に、自然と参列者全員の心が寄り添います。
献花は、心経前殿の奥へお供えされ、≪庭湖会≫による献茶も供えられると、読経・≪雅古楽会≫による雅楽奉納。
こうして約1時間半の法会が厳粛に勤められました。
 京都市副市長藤田裕之様が献花式にご参列頂き、華展会場もご覧いただき大変光栄な事でした。
服部孝月企画室長、華展をご案内頂いた村島智洲先生との記念写真を掲載します。もう一枚の写真は、東京からお越しくださった広山流家元 岡田広山先生です。全国109司所及び20余りの海外司所による華展・庭湖会担当のお茶席・ご用達のご協力・華道総司所教授/派遣講師及び寺内職員併せて200名余りの人がスタッフとなり、準備の2日間と開催3日間のすべてを支えていました。期間中にお運びくださいましたすべての皆様には、心から感謝申し上げます。また、折角お越しくださいましたのに、お目にかかれなかった方には大変失礼いたしました。皆様のお力添えのお陰で、3日にわたる御始祖嵯峨天皇様への奉献華道祭が今年も無事盛会裏に行う事ができました。

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平成27年度「華道祭」で、親子いけばな体験が行われました

4月11日、親子いけばなワークショップが、大覚寺の心経前殿で行われました。今日は、自然の風景を水盤に映しいける「盛花」に挑戦です。まず、平安時代から姿を変えずに現存する大沢池を、観月台から見学し、その池の風景を心に焼き付けておきます。それから、お堂へ戻り、先生の説明を聞きながら木や花を挿していきます。

このワークショップの様子が、読売新聞12日の朝刊に掲載されましたので新聞記事を掲載させていただきます。
指導しておられるのは下村久仁甫副研究所長です。子供さんがとても楽しそうですね!。

写真は、御室流華務長の小田美風先生とご一緒に、子供たちにどんな風景をイメージしているのか、声をかけているところです。

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