いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在 嵯峨美術大学評議員、日本いけばな芸術協会理事、大阪府花道家協会常任理事、いけばな女流選抜作家展運営委員、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

10月3日。「初心者対象講座〜わかりやすいいけばな〜」を担当して感じたこと。

この講座には、毎年、入門から奥伝までの方々が、友人同士で、あるいは親先生に伴われて、全国からお見えになります。午前中は華道総司所のある大覚寺の境内を、僧侶の方のご説明を聞きながら拝観し、大沢池で嵯峨天皇が実際に空海と語り合われた場に立って、嵯峨御流の原点でもある風景を愛でます。
その後教室へ戻り、生花のデモンストレーションのあと、全員で食堂(じきどう)へ。食堂は、通常拝観者は入れない場所で、職員や僧侶の方々に混じって、お花の講師、研究生、皆同じ場所でお食事させていただけるところです。総司所の内側を見学し体験していただく事です。
午後の実技は寸渡に朝鮮槙5本を三才格にいける実技です。生花はシンプルではありますが、花配りの張り方、枝のため方、切り口を正確に切ること、表裏の定め方など、基本を正確に実践することが大事で、いけあがれば無駄のないすらりとした姿に魅了される花態です。
解説の後、実技が始まると、全員同時進行で1本づつ一緒にいけていきました。ちょうどお仕事に見えていた、華道芸術学院学院長西村強甫先生と華道企画推進室長青野直甫先生が教室に入ってくださり、皆さんにちょっとアドバイスしてくださると、みるみる全員立派に三才格が立ち上がりました。
各々いけ上がった作品を満足そうにご覧になる表情を見ていると、私共も嬉しくなります。

この講習会では、誰一人落ち込んで帰ることのないよう、生花がいけられたという自信を持ってもらう事と、本所を身近に感じてもらいたいという思いもあるのです。これからも、やればやるほど上達していく稽古の楽しさを、親先生のもとで感じてもらいたいと思います。

今日出会った皆様が、ご自分の人生の中で嵯峨御流の花が生活を潤し、人にも教えて分かち合い、いけばなの美の世界を広げていく人に育っていただきたいと切に思いました。

10月2日、「兵庫県いけばな展」を拝見しました。

10月1日から大丸神戸店で開催されている「兵庫県いけばな展」を拝見しました。前期の作品をご紹介します。今回はコロナ禍の中と言うことで役員のみの出瓶という事です。

会期
前期 10月1日(木)〜3日(土)
後期 10月4日(日)〜6日(火)
会場 大丸神戸店 9階大丸ミュージアム神戸

嵯峨御流からは、次の先生方が出品されています。
前期:村上巨樹、白川恵甫、菅 香風
後期:吉田泰巳、末道良甫、橋本智月

本日は10月1日中秋名月。昨日うめだ阪急 クリエーターによるウィンドウの展示を見て感じたこと、など。

大阪のうめだ阪急ではクリエーターによる、勇気をいただけるような展示が始まっています。
コロナ予防対策で一時期閉店されていたこともあるうめだ阪急ですが、すでに開店していて、確か7月くらいから、コンコースの巨大な7面のウィンドウ展示も再開されました。昨日9月30日、パネルに書かれたメッセージと、ウィンドウ一杯に繰り広げられるエネルギッシュな世界をに見ていたとき、作品とメッセージから自分の心に響いてくるものがあり、俄然勇気が湧いてきました。「人々が誰かのために想像力を使う」「人の思いに気づけたり、励ましや助け合いを目の当たりにした。そして自分にできることは?」など、など。そして、10月1日。大覚寺・華道総司所の朝礼の際に毎月お一日だけは尾池泰道門跡猊下のお言葉を職員が賜る日。そのお言葉を拝聴して深く心打たれました。


今さまざまに変革が余儀なくされれるけれど、「鬼手仏心」を心がけよという内容でありました。確かに、大改革を決断していかなくてはならない事は自分の身の回りにもあり、そのようなときにその根底にあるものが温かい心である事、良くなるためにはみんなが一丸となって耐え、明るく励まし合って乗り越えていく事だと、改めて深く心に刻みました。

さて、今日から3日までの3日間、17:30から21:00まで大覚寺大沢池で観月の夕べが開催されます。職員の方が総出で池の水草を取り水面を美しく開かれています。今年はコロナ予防対策で、船の乗船と観月台でのお茶席は、仕方なく事前申し込み制となり、抽選に漏れた方には申し訳ない事でしたが。この場所は<日本三大名月鑑賞池>の一つであり、嵯峨天皇様も観月をされたこの大沢池の池畔に、入ることはできますので、3日間のあいだに、わたくしも、一人池畔に立ち池に映る中秋名月を愛でさせて頂こうと思います。

 

9月27日。 第56回弘友会司所物故者慰霊祭

秋のお彼岸頃に毎年行われる、弘友会司所物故者慰霊祭。先輩諸精霊が祀られている大覚寺宮墓地まで、大覚寺から歩いて15分ほどの嵯峨野の小道は、いつもこの時期彼岸花が盛りです。

初心者対象講座を担当します

総司所での講座が始まりました!
専修会や研究科、各種ゼミナールは勢い付いています。今年から始まった「土日専修会」「日曜専修会」も好評です。

私が今年初めて担当する講座は、10月3日開催の「初心者対象講座〜わかりやすいいけばな〜」、嵯峨御流の入門から奥伝までの方ならどなたでも申し込める講座です。親先生が同伴されてもかまわないので、気軽に参加していただきたいと思います。

嵯峨御流の総司所である大覚寺の中を拝観したあと私のデモンストレーションを見てもらい、食堂での昼食をはさんで午後は実技となります。

初めてお見えになる方に、本所を親しく感じていただけるよう、楽しい1日になりますよう願っています。

9月26日。彼岸花が咲き始めました。きっと講座の日は真っ赤に染まる嵯峨野の田園風景をご覧いただける事でしょう。

8月20日。華道総司所の授業が始まりました!

残暑お見舞い申し上げます。
3月から自粛していた約半年間を振り返って、自分の人生にとっていかにいけばなが大きな支えであるかを痛感しました。Stay homeでも自宅に花をいける楽しみがありましたし。。。
いけばなには、いける喜びに加えて、伝統文化や季節の表現、見立ての遊びなど、一つの花から広く深く学びが広がって、知的好奇心は尽きることがないと思います。また、その感動を人に伝え教える機会があったからこそ、学び続けることができたとも思います。


さて、4月から開催されるはずだった華道総司所での様々な授業が延期されていましたが、いよいよ8月20日を始めとしてスタートしました。
皆様にお会いできて嬉しいと同時に、皆様と一つの場を共有することで自分の心に響いてくる強いチカラを猛烈に感じることができました。


9月からは全国司所での研究会も開始となります。教授・派遣講師は新型コロナウィルスに対する基本的な注意事項を徹底して各司所へ赴きます。
受講される皆様も、ご自身が無理をせず、三密を避けコロナ対策をしっかりとしたうえで、ソーシャルディスタンスを取りながら楽しくいけばなを通じて交流していただきたいと思います。


そして、男女や年齢にかかわらず、どなたにも、喜びと共にライフワークになりうる、いけばなの魅力を再発見して、コロナ後の新しい生活様式において、ご自分もご友人などにお教えする機会を持ってみられてはいかがでしょうか。お家で友人と過ごす時に、器と花々(自分で育てた花も話題になります!)をご用意して、好きなようにいけてみる、「花寄せ」のような遊びなども取り入れて。


写真は、YouTubeでいけ方をご紹介した、蓮の作品です。

豪雨による被災のお見舞い

7月、熊本県をはじめとして、全国各地に集中豪雨の甚大な被害が発生いたしました。被災された多くの方々に心からのお見舞いを申し上げます。そして、1日も早く被災地が復興されますことを念じております。

7月17日。祇王寺の苔庭の美景。

平家物語に出てくる、平清盛と白拍子祇王祇女の悲恋の物語を今に伝える祇王寺は、ご縁により現在は旧嵯峨御所大覚寺の塔頭となっています。
華道総司所会員の方は会員書のご提示で年中何度でも拝観させていただけます。
ぜひ青紅葉と苔庭を堪能ならさりに、祇王寺へお運びくださいませ。

7月16日「蓮始開」の侯

7月12日から16日まで、七十二侯は「蓮始開(はすはじめてひらく)」の季節になります。
大覚寺大沢池固有の古代蓮「名古曽」が、小島菊ヶ島のあたりで咲き始めました。1200年余りの時を経ていまなおその姿をとどめる、日本現存最古の庭園池「大沢池 銘『庭湖』」のおおらかな池面に揺れる姿は、格別の趣があります。

あやかれや 長刀鉾の 籤(くじ)とらず

コロナのため、京都の祇園祭に今年は山鉾を立てないという事が決まりました。わたくしも、子供の頃から夏には街なかへ出て、「コンチキチン」のお囃子の音と山鉾、そして各家々の美しい屏風や檜扇の花を拝見するのが7月14日〜16日宵山の楽しみでありました。今年は山鉾の姿は見えなくとも、疫病退散を祈る神事は7月いっぱい執り行われますし、また各家々で厄除の願いを込めて檜扇の花が飾られることと思います。

我家の玄関にも、頂戴した真新しい粽をかけさせていただき、床の間に表千家即中斎宗匠賛の長刀鉾の扇と檜扇を飾り、祭月のしつらえが整いました。
扇の賛は「あやかれや 長刀鉾の籤とらず」と書かれています。
山鉾巡行の順番は、籤引できまりますが、くじを引かなくてもあらかじめ順番が決まっている山鉾を「籤とらず」といい、長刀鉾は全ての鉾の先頭に決められているのですね。

月刊「嵯峨」2013年7月号の「いけばな講座」から、檜扇の作品を転載しました。皆様もご参考になさって、夏ならでは、そして厄除の願いを込めて檜扇を飾られてはいかがでしょう。

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