いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

10月14日、アメリカは橙色に、満ちあふれて。

ワシントンD.C.に滞在5日目。今日は、朝から花市場に、注文の花材を取りにいきました。市場はハロウィンのかぼちゃが一杯、デモンストレーションやワークショップ「景色いけ」の花材探しです。

午後は、会員の方の大きな庭園で様々な植物を切らせて頂きました。

終日、会員の方にお世話になりながら準備に没頭しました。いよいよ明後日15日に、Sheraton Reston Hotelで行われます。

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この庭園を任されている庭師さんに切ってもらって、様々な花材を切り 出しました。写真は、巨大な雲竜柳の樹から、大きな一枝を切ってもらっているところです。   

 

10月12日 WashingtonD.C.

I.I.WashingtonD.C.資料担当役員の方が、祖父弘洲と父博州が日米修好通商百周年を記念して1961年にD.C.の国立自然史博物館でデモンストレーションをした時に、弘洲が支部へ記念の品として贈呈した、雅整体の作品集を見せて下さいました。そして、二人で花材のバラを選んでいる貴重なスナップ写真も。

 

特に海外では、花材の調達にはとても苦労をします。いけばなで使う木などを売っている花屋さんはほとんどないので、自分で調達しなくてはなりません。といっても、日本から持ち出すのは難しいですし、道端の木を切るわけにはいきませんので、このスナップ写真のように、地元の方のガーデンで切らせてもらうか、または切れる場所を紹介して貰う事になります。おそらく1960年頃は今よりもっと調達は大変だったと思いますが。

 

私も、今回のデモンストレーションでは、注文した花材を会員の方の車で花市場まで取りに行き、そして木物は、広大なガーデンを持っておられるいけばな愛好家のお宅へ切らせて頂きに行きます。

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今回、D.C.へお招き頂いたご縁について。

嵯峨御流ワシントンD.C.支部長のBruce wilson先生は、昨年 I.I. Washington支部長に就任されました。

そのご縁で、I.I.支部創立60周年記念式典にわたくしは招聘を受けることになりました。

でも、さらに奇跡的なご縁のつながりがありました。

祖父弘洲が日米修好通商百周年を記念して、I.I.から招かれて1961年にD.C.の国立自然史博物館でデモンストレーションをした時の新聞記事を、Bruce先生から送っていただいたので、掲載させていただきます。

花は、言葉や国境を越えて友好の心を伝えられる、という事を改めて感じました。

 

The Washington Evening Star, February 17, 1960

“As its contribution to the celebration of the 100th anniversary of the establishment of official diplomatic relations between the United States and Japan, the Washington Chapter of Ikebana International announces two demonstration lectures on Japanese flower arrangement.

They are to be by Professor Koshu Tsujii, Grand Master of the Saga School of Ikebana, on March 21, 8 to 10p.m. and on March 22, 1:30 to 3:30 p.m.in the Auditorium of the Museum of Natural History.

Honorary Sponsors of Professor Tsui’s visit are the Embassy of Japan, the Japan-American Society, the Washington-Tokyo Club, and the National Capital Garden Club League.

Mrs. Eisenhower, Mrs. Nixon, Mrs. Christian Herter, Mme. Koichio Asakai, and Mrs John Foster Dulles head the list of honorary patronesses.

Reservations must be made in advance as no tickets may be purchased at the museum. For further information about Professor Tsujii’s visit call Mrs. Ralph S. McDowell, President of the Washington Chapter of Ikebana International 3328 Runnymede Place N.W.”

The Washington Post, April 3, 1960

“An arrangement of flowers is a work of art–if it has been done by Koshu Tsujii, Grand Master of Japan’s Saga School of Flower Arrangement. The 76 year-old artist, one of the world’s outstanding authorities on arranging flowers, recently demonstrated some of his techniques to members of the Washington Chapter of Ikebana International and their guests.

‘To have a desire to work with flowers.’ Professor Tskujii said, ‘is a wonderful thing.’ But as with any art, the desire, without discipline and selection, is not enough, he added.

To obtain the needed discipline, the professor advises the beginner to practice with only two or three ingredients.

Even better, he declared, is to study Ikebana (the Japanese art of flower arrangement) in classes such as those which are sponsored by may schools and women’s clubs in the country.

Ikebana International, with headquarters in Tokyo, was founded by a Washington woman, Mrs. Frank A. Allen Jr;, who is now honorary president. The local Washington Chapter, with over 300 members, holds four meetings a year in addition to monthly workshops direct by qualified teachers, and a yearly exhibition of best arrangements.”

 

国立自然史博物館

 

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11th. Oct. Washington D.C.に滞在初日目。

秋晴れの爽やかな日。

今日から、デモンストレーションとワークショップのために、I.I.会員の方が、毎日アテンドして下さって様々なところで.準備と花材集めをします。

 

今日は、D.C.の主要なところを見学させていただきました。Lincoln Memorial(リンカーン記念館)、Washington monument(ワシントン記念塔)、Capital(国会議事堂)、Botanical garden(国立植物園、the Museum of Natural History. (国立自然史博物館)

そして、Do It yourselfのお店を物色。

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Lincoln Memorial(リンカーン記念館)

 

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トランプ インターナショナルホテル ワシントンD.C.

 
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Capital(国会議事堂)

 
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Botanical garden(国立植物園) ワシントンの議会議事堂の手前にある、アメリカ最古の植物園。入場無料。 金明孟宗竹を、見つけました。

 
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The Potomac River(ポトマック川)の河川の風景

 
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Do It yourself の店。巨大な工場で、板を購入。

 

10th. Oct. Arrived Washington Dulles International Airport ,in Virginia, United States.

いけばなインターナショナルの161支部の中で最も歴史の長い、Washington D.C.支部の創立60周年記念式典に、デモンストレーターとして招聘を受けました。

10月10日.成田空港からChicago空港経由で、夜の8時半頃にWashington Dulles International Airport、へ到着。大きくて、いかにもアメリカという雰囲気の空港には、I.I.Washington支部長で、嵯峨御流Washington支部長のMr. Bruce wilson先生がお迎えに来て下さっていました。

こちら、日本との時差は13時間あります。

あすから早速、15日のデモンストレーションと16日のワークショップ(深山の景・野辺の景を希望されています)の花材調達のために、明日から野山や知人宅の広大なお庭などへ足を運びます。

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Bruce Wilson先生

 
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乗継ぎのChicago O’Hare International Airport

 
 
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Washington Dulles International Airport

 

10月9日、嵯峨御流 華道親和司所創立65周年 研究発表会を、拝見しました。

天満橋 京阪シティモール8階のレストランフロアにおいて開催された花会に伺いました。司所長 槇 信甫先生、相談役の先生方、役員の皆様にご案内頂き、会場を拝見しました。会員の皆様が一作一作、ご自分で考えながらいけられたとのこと。あえて光を落としたダークなレストランフロアと自然光の明暗のコントラストが楽しい演出になっていて、素敵な会場構成でした。

私の撮ったスナップ写真ですが、花会の一部をご紹介します。

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10月8日。いけばなインターナショナル名古屋支部創立50周年記念式典において、デモンストレーションをさせて頂きました。

今年は、「愛知トリエンナーレ」や、「第31回国民文化祭・愛知2016」の開催など、愛知は活気あふれる年に、I.I.名古屋支部も50年を迎えられるという事は大変意義深いと思います。記念式典のテーマ『幸せは必ずやってくる』これは、愛知の県花カキツバタの花言葉なのですね。

 

わたくしのデモンストレーションは、まず「花衣桁」。言祝ぎの意をこめて、松尽くしにしました。黒松、赤松、蛇の目松、寿松。花は、「四君子」の徳を表す蘭と菊、「長春」の意味があります。花器のうち、舟花器は、蓬莱山に向かう出船の姿に用いて。銅器の亀を飾り、吉祥文様をちりばめた打掛の着物を見立てた作品としました。

 

次に、十二律管には、椿と七竃に鶏頭を配して華やかに。

最後は

愛知の花、カキツバタを、八橋に見立てた花器に生けました。カキツバタは、普通は4月末頃~6月頃に咲くものですが、本日は四季咲きのカキツバタを用意して沼沢の景色いけに生けました。『伊勢物語』で有名な八橋の風景は、愛知の人にはもちろんの事、日本の宝です。カキツバタ伝説と共に人々に愛される風景として、これからもずっと大切に守られていく事でしょう。

 

今日のデモンストレーションには、嵯峨御流中部地区連絡協議会の皆様をはじめ、大勢の方がご参加くださり、会場は会員、ゲストをあわせて250名余りの方で、大盛会でした。

 

支部長滝リンダ様、第一副支部長稲本峯月様のご挨拶から、役員の方々が、一年以上この会の為に多くの時間を費やし、全力でご尽力なさった事が伝わって、胸が熱くなりました。

<Friendship through flowers>I.I.のモットーが、本日お集まりの皆様の心に響いた、素晴らしい会でした。

 

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I.I.元会長 Ms.Sato Wienia様撮影

 
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向かって右から、中華人民共和国領事 李 穎様、愛知県知事夫人大村和子様、嵯峨御流藤井百合甫先生、中華人民共和国領事 趙 紅霞様、平成芸術花院主宰 小川珊鶴様

 
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向かって右から、元I.I.会長 臼井延子様、愛知県副知事 堀井奈津子様、I.I.名古屋支部長 滝リンダ様、I.I.元会長 松平典子様

 
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右端 I.I.会長 片野順子様

 
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I.I.元会長 Ms.Sato Wienia様撮影

 
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I.I.元会長 Ms.Sato Wienia様撮影

 
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ヒルトン名古屋に飾られた、会員による花展のなかで、嵯峨御流の作品。この写真は、元I.I.会長Ms.Sato Wienia様撮影。

 
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ヒルトン名古屋に飾られた、会員による花展のなかで、嵯峨御流の作品。

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10月9日、佳生流花展を拝見しました。

神戸三宮さんちかホールにて開催中(11日10時~17時までで終了)の花展に伺いました。家元西村公延先生、家元嗣 崇先生に会場をご案内して頂きました。

 二代西村雲華先生の遺作オブジェ、西畠靖和氏の自然木の造形、清水千代市氏の陶芸、これらの作品といけばなとのコラボレーションです。

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いけばなインターナショナル

10月8日、いけばインターナショナル名古屋支部創立50周年記念式典にデモンストレーターとしてお招きを受け、250名あまりの皆様にご覧いただきました。

舞台の上からではありましたが、花に祈りや喜びの心を託していける日本のいけばな文化をご紹介しながら、最後に愛知県を代表する花として、カキツバタを用いた、八橋の風景をいけました。

 

次は10月15日にI.I.ワシントンD.C.支部創立60周年記念式典で、デモンストレーションをさせていただく事になっています。「景色いけ七景三勝」をメインに、命の大切さと世界平和を祈る心を、嵯峨御流の花に託して、ご覧いただくつもりです。

16日は「野辺の景」と、「森林の景」を教えてほしい、とのご希望により、ワークショップを致します。

アメリカの後は、来年1月17日I.I.京都支部に、来年5月12日I.I.神戸支部に、デモンストレーションのお招きを受けております。そして来年4月には、5年ごとに日本で開催されるI.I.世界大会が沖縄コンベンションセンターで開催され、嵯峨御流もデモンストレーションをさせていただきます。沖縄へ世界50数カ国、161支部、7600名の会員の中から1,000名を超える方々が参加される事になっています。名誉総裁 高円宮妃久子殿下ご臨席のもと、4月12日から16日までの5日間の会期中に、7流派によるデモンストレーションが行われます。嵯峨御流のデモンストレーションは、4月13日13時からとなっています。

「景色いけ七景三勝」は、山から海までの風景を、「連続した水の流れにより生まれるもの」という考えのもと、水の流れにそって生まれる7つの風景を水の取り方にわけて表現しています。

水の連続性が生み出す自然風景に加え、さらに人が関わりを持つことから生まれる美しい風景は、その風景と接するたびに、私たちにそのいずれもが人にとって日々における勇気と元気の源となるエネルギーを与えてくれます。「景色いけ七景」は、そんな風景を花で表現し、見る人に自然を愛おしく思う心を育む役割を担っているものだと思うのです。

このことを海外の方にもお伝えするため、わたくしの講演資料を作成して頂きました。和文英文 併記です。

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10月8日は、いけばなインターナショナル名古屋支部創立50周年記念式典。式典に於いて、嵯峨御流のデモンストレーションをさせて頂きます

ヒルトン名古屋で、10月8日に開催される、I.I.名古屋支部創立50周年記念式典。四半世紀、「花を通じての友好」をモットーに、流派を越えて活動されてこられた事に心からの敬意を表します。この度、大変光栄な事に、記念式典におけるデモンストレーション招聘を受けました。10時からの式典に続いて一時間、お喜びの気持ちを込めて、舞台で花を生けさせていただきます。舞台を助けてくださるのは、嵯峨御流中部地区連絡協議会の先生方です。また、中部地区の8司所から大勢の方がランチョンパーティにもご参加くださいます事大変嬉しく思います。

 

なお、ヒルトン名古屋では、8日、9日の両日、会員による花展も開催されていますので、こちらのほうは、お近くの方はぜひお立ち寄り下さいませ。

http://iinagoya.hanagasumi.net

 

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